DIARY

【 トレンドを探る! 】

【 ファッション業界の変化から見る消費行動 】Posted by Hayashi

 

緊急事態宣言が解除される見通しということで、
これから人々がどのように動いていくのか、
注目されるところです。

今回の新型コロナウイルス感染症によって、
大きなダメージを負った業界も多いと聞きます。

実はファッション業界もその中の一つです。

・外出自粛が広まる中、衣料品のお店に足を運ばないということ、
・外出自粛のため、そもそも服装に対しての考え方が変化したこと
という二つが大きな理由
だと言えます。

そして、上記のような流れの中で、
今、ファッション業界が大きく変化しているようです。

そもそもファッション業界では半年周期で
モノづくりから販売までを回す
という業界特有の周期があるそうです。

春夏物、そして秋冬物という分類でそれぞれトレンドが発表され、
そのトレンドに合わせて半年周期で
モノづくりから販売を行っているというイメージです。

そのため、売れ残ったものも半年周期の中で売り切る
ということが業界の中で定番になっていました。

販売開始→売れ残ったものをセールにする→
さらに売れ残った場合はアウトレットへ
(セールにすることでブランドイメージが崩れる場合は
ファミリーセールなどをします。)
という形で出来るだけ売り切るということを続けてきました。

しかし、今回の新型コロナウイルス感染症によって、
店頭の洋服は売れ残ってしまっているほか、
そもそもそこまでおしゃれをする機会が必要なくなったことから
インターネットでの販売も不調になっているブランドが多いようです。

このような状況の中で、
今までの慣例である半年サイクルを続けていくことは
売れ残りを生んでしまう要因となり、
無駄を多く作ることに繋がります。

ファッション業界ではこういった流れを変化させるために、
現在では売れ残った服を新たなデザインに変化させ、
販売を行うというような流れや、
過去の商品をアーカイブによって販売するという取り組み、
無駄を出さないために受注生産にしていくという取り組みなどが
起こり始めてきています。

【H&Mの取り組み】
例えばH&Mは廃棄物から洋服を作り出すという取り組みをしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000437.000011958.html

【ミナ・ペルホネン】
例えばミナ・ペルホネンは過去に販売した商品を
アーカイブとして掲載し、販売をしているブランドです。
https://www.mina-perhonen.jp/

また、ミナ・ペルホネンは
ミナ・ペルホネンピースという取り組みを行い、
洋服を作る際に余る布などを有効活用する取り組みを行っています
https://www.mina-perhonen.jp/store_information/piece-tokyo/

ファッション業界では
2019年に「ファッション協定」というものがスタートし、
世界の名だたるブランドがこの協定に参加しています。

この協定は
・地球温暖化の阻止
・生物多様性の復元
・海洋保護
という三つを柱に、
ファッション業界の実践的目標を掲げたものです。

このような流れの中で多くのブランドが
エコやサステナブルをテーマにするモノづくり
力を入れ始めているのです。

ファッション業界の変化は一例ではありますが、
こういった流れは様々な業界で起こっており、
人々の消費行動も変化してきていると感じます。

例えばクラウド・ファンディングなど、
自分のお金が少しでも世の中に貢献できる
というものにお金を使う人が増えきています。

また、最近ではキャンプやアウトドアが流行していますが、
これは便利さや快適性を追求しすぎている現代に対して、
自然に包まれ、少しでも
都会のストレスから解放されたい

というようなニーズがあるのではないかと思います。

多くの消費者が過度な豊かさや大量生産などへの疑問を
少しずつでも感じ始めているのではないかと思います。

その結果、ちょっぴり良いコトや自然を感じるコトなど、
今、人々の消費行動も変化してきています。

今までのように利便性や快適性を追求するだけではなく、
私にとって、あなたにとって、
そして社会にとって良いことは何か、

ということが大切になってきていると感じます。

以前、Gクリップのインターン生の中に、
「就活はどういうところに興味を持っているの?」
という質問をしたときに、
「売上の一部を慈善団体に寄付している企業があり、
とても興味を持ちました。」

という話をしている学生がいました。

近江商人の言葉に「三方よし」という言葉がありますが、
これからは自分と相手の満足だけではなく、
自分と相手、そして社会への貢献ということが
より大切になってくるのではないかと思います。

SDGsという言葉が流行しています。

幼児教育の業界でも大々的にSDGsを掲げ、
その取り組みを発信している園も増えてきています。

人々の消費行動は時代の流れで変化します。

その時代の流れをしっかりと見極め、
自園の軸を大切にするとともに、
柔軟に変化しながら、
時代に合わせた取り組みと発信を行っていくことが大切です。