【 成熟社会のマネジメント 】Posted by Shidara
組織の“マネジメント”と聞けば、
一般的に“管理”をイメージしますが、
Gクリップでは、
社内の組織マネジメントも
マーケティングの一環ととらえ、
(インターナルマーケティング)
マーケティング発想をもって
共に働く仲間の互いの動機づけとして
力を注いでいます。
「相手に気持ちよく次の行動に移ってもらうこと」
と、マーケティングを定義している以上、
管理業務ではなく、
若い人材に、あるいは、ちょっと疲れが見える相手に、
そして、元気に活躍する相手に対しても、
次の一歩を気持ちよく踏み出してもらうために
“自分が”どう関わるか?
という視点のインターナルマーケティングによって
次の突破口を見出そうと考えていくことが重要です。
今の日本は成熟社会とよばれています。
成熟社会とは、経済や社会制度が発展し、
必要な物やサービスは満たされ、
自由で便利な生活はできるが、
成長がピークに達して
先行きが見えにくい社会を指します。
これに対し、
成長が著しい社会を成長社会と言います。
日本では1960年代から80年、
90年代初期辺りまでがイメージされますが、
とにかく物質的な豊かさが日ごとに増していくような
そんな時代だったと言われます。
ある程度物質的豊かさが享受されると
いわゆる幸せとよばれるものの
定義も変わっていきます。
マズローの5段階欲求が示すように、
生きる上で必要な欲求は
個人の豊かさのステージによって変わり、
物質的豊かさよりも
精神的豊かさを求めるようになります。
人口減少時代の組織の採用や育成課題は
枚挙にいとまがありません。
打開策として、
採用フェアなどでは働きやすさを前面に出して、
採用活動に勤しむブースが目立ちますが、
それに対する学生及び求職者サイドの反応は
それほど高いとも言えません。
「実労8時間、休憩1時間」
「給与○○円(←相場より高め)」
「職場の人間関係良好!」
多くのブースがこのような見出しで
来場者の注意を惹こうとしますが、
もはや、
これらの“条件”は
求職者にとってあって当たり前となり、
それほど目を引くフレーズになっていないのです。
継続に関しても、昇進、昇格などに対しても、
成熟社会においては、昇給は歓迎しても、
昇進、昇格に対しては
後ろ向きな人材が増えてきているといいます。
“管理職”となり、
“余計な仕事”が増えることを避けたいという
心理の働きによるといいます。
成熟した日本社会の労働意識の変化なのでしょう。
この社会変化に対応すべく
発展的な“組織マネジメント”を
実現しようと考えると
マーケティング発想はやはり重要です。
使い古された言葉かもしれませんが、
職員がイキイキと働ける状況をつくりだすことが
やはり重要なのです。
これをやれば職員が嬉々として
イキイキ働き出します!
というスペシャルな答えを出せないのが
もどかしいのですが、
一つ言えることは、経営トップや管理職の方が、
量的コミュニケーションを増やし
相手の強み、弱みを把握すること。
採用においても、
採用前のコミュニケーション機会を増やし
相手をよく知ることです。
当然ですが、コミュニケーション量を増やすことで
相手を知るだけではなく、前提として、
こちらの考え方を丁寧に伝え、
理解してもらうことになります。
お互いをきちんと
理解したうえで指示を出せば(ビジョンの共有)、
指示内容の理解のレベルが上がりますから、
うまくいかない場合は
次の指示の軌道修正がかけられます。
これを、
経営における“コモンセンスの擦り合わせ”と呼んでます。
コモンセンスとは共通理解を指します。
コモンセンスのズレが少なければ、
仕事におけるストレスが軽減され
良好な関係が成立します。
成熟社会とは、
左記のマズローの欲求で説明した通り、
精神的豊かさを求める社会では
個々の価値観は多様化します。
多様な価値観を持つ個々の集合体である組織において
コモンセンスを擦り合わせながら互いに切磋琢磨し、
正解のない答えを導き出す作業を繰り返すことが、
成熟社会におけるマネジメントということになります。
機械にとって代わることが難しい仕事が多い
幼稚園業界のマネジメントにおいては、
相手をよく知ったうえで、
「気持ちよく次の行動に移ってもらう」
マーケティング発想に基づく関わりが
より重要になっていきます。
経営者、リーダー層の皆さんは
現場の先生方と積極的にコミュニケーションをとって
是非、現場が輝く環境づくりに力を入れてみて下さい。