DIARY

【 若者の結婚と出産への意識調査 】

・若者の半数は子どもを持ちたくないと回答
・特に男性は結婚もしたくないという割合が高い
・子どもが欲しくない理由は「自信がない」「子どもが苦手」という回答割合が実は多い
・自治体の子育て支援の取り組みは引っ越しに影響する
若者の自信や子どもへの苦手意識については幼稚園と小中高の交流やボランティアの受け入れも重要ではないだろうか
・自治体の取り組みだけではなく、幼稚園の子育て支援や子育てコミュニティの形成も子育て世帯を地域に集める上で重要ではないだろうか
 
 
2023年2月7日から2月9日に、
BIGLOBEが「子育てに関するZ世代の意識調査」
という調査を実施し、その結果が先週発表されました。
 
これから結婚し、出産する世代が、
どういった考えを持っているのか、
ぜひ確認をしてみてください。
 
 
①将来の結婚と子どもについて
以下のグラフをご覧ください。
 
将来的に子どもが欲しいと考える割合は、
54.3%という結果です。
 
そして結婚もしたくないという人が
36.1%という結果です。
 
結婚というかたちにこだわらなくても子どもは欲しい
という回答についても10%程度ありますが、
これは時代の変化を感じる部分です。
 
 
②将来の結婚と子どもについての男女の違い
男女での違いはどうでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
 
男性で子どもが欲しいと回答している割合は、
48.7%ということで半数を割り、
女性は62.9%という結果になっています。
 
特に男性は結婚もしたくないし子どもがほしくない
という割合が高いことがわかります。
 
 
③子どもがほしいと思わない理由
子どもをなぜほしいと思わないのか、
以下のグラフをご覧ください。
 
お金の問題だけではなく、実はお金の問題以外の割合が
大きいということがわかります。
 
ではその内容はどうなっているのでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
 
 
最も多い理由は「育てる自信がないから」です。
また、「子どもが好きではない・子どもが苦手だから」という割合も高く、
45.9%に達しています。
 
私個人的にはものに溢れ、価値観が多様化した現代だからこそ、
「自由がなくなる」という理由が多いのではないかと予想していましたが、
36%という結果でした。
 
「これからの日本の将来に期待ができず、子どもがかわいそうだから」
という割合も25%おり、将来への不安があると捉えることができます。
 
 
個人的にはこういった内容を確認すると、
少子化が進んでいることによって、
子どもとの交流自体が減少し、
子どもへの苦手意識が生まれてしまっている
ということがあるのではないかと思います。
 
そのように考えますと、幼稚園業界でも
幼稚園と卒園児、小学校、中学校、高校との交流や
ボランティアの受け入れなどを行うことは
実は子どもを持ちたいという次の世代を育成する上でも、
とても重要になってくるのではないかと感じます。
 
また採用への期待もありますので、
ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 
 
④自治体の子育て支援が引っ越しに影響するか
各地自治体ごとに子育て支援の取り組みは異なります。
その異なる取り組みについて若者はどう思っているのでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
 
自治体によって異なる政策については、
64.6%が一律にすべきだという意見を持っています。
 
では子育てをする場合に、自治体の子育て支援の取り組みが、
引っ越しに影響するのでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
 
71%が各自治体の取り組みが引っ越しに影響すると回答しています。
 
これを確認すると各自治体の取り組みは重要であることがわかります。
 
実際に私が知っている地域では、
0歳児から2歳児の保育料無償化や、
給食費の無償化などを通して、
子育て世帯を増やしているという実績がある地域もあります。
 
しかしながら、先ほどのデータから確認すると、
子育てへの不安は金銭的なものだけではないことがわかります。
 
子育てへの自信はおそらく子どもが欲しいと回答した若者も
ない人が多いのではないかと思います。
 
だからこそ、子育て支援や子育てのコミュニティづくりなど、
人の繋がりを感じるものはとても重要になるはずです。
 
こういった各自治体の取り組みも、子育て支援への取り組みも、
上手に発信されなければ若者に届くことはありません。
 
やっているから、ということではなく、
しっかりと発信し、情報を届けることも重要になります。
 
 
・卒園児、小学校、中学校や高校との交流、ボランティアの受け入れ
・子育て支援や子育てコミュニティの形成とそれに伴う情報発信
 
これらは幼稚園が積極的に行える取り組みであると思います。
 
このメルマガでも以前に取り上げさせていただきましたが、
”イミ消費”という言葉がキーワードである今、
自園という範囲を超え、地域という視点や、
今後の人口減少に対しての自園の取り組みなど、
社会課題への解決や、社会的意義の追及に力を入れることは重要です。
 
ぜひご検討ください。