コミュニケーションの壁を打破するポイント
<本文のポイント>
・新人職員は「コミュニケーション」に関する悩みを抱きやすい
・組織構造の変化により、
・新人職員が実践したいコミュニケーションのポイント
・新たな職員を受け入れる準備としてセミナーをご検討ください
「人材戦力化CAMP」を年間5回開催しており、
1月22日の開催をもって2024年度開催分の全課程が終了しま
人材戦力化CAMPの目的は、
「若手職員が自園らしさを纏い、継続して成長すること」にありま
自園らしさを纏うとは、自園の魅力を理解し、
その魅力を自分の言葉で語れることにあります。
そのため、本勉強会では、自園の軸の理解を深めるためのワークや
自園らしさを知り信頼関係を築くためのコミュニケーションスキル
ホウレンソウダネ(報告・連絡・相談・打診・根回し)、
また自園の魅力を自らの言葉で伝えるプレゼンテーションを実施し
最終回では、ご参加いただいた先生方に
「新人として悩んだこと・ぶつかった課題」
下記のような回答を得ています。
<新人として悩んだことやぶつかった課題>
・ “相手に伝わりやすい”伝え方をすること
・ 保護者との距離感、
・ 先輩方に「今聞いてもいいのかな?聞いたら迷惑かな?」
・ 萎縮したり気を遣いすぎたりして、
・ 先輩よりも先に動くこと
・ 後輩としての態度や立ち振る舞いをすること
・ 自分の中だけで解決をしてしまい、
新人の先生は、上記のように
周囲とのコミュニケーションに関する悩みや課題に
多く直面したことが分かります。
この新人職員向けの勉強会は、今年で6年目の開催となりました。
勉強会にご参加された新人職員の話を聞く中で、
これまでとの違いとして感じたのは“トップを語る”
私学というのは経営者の思想が組織のいたるところにちりばめられ
「自園の軸として大切にしているのは~」
という枕詞があって自園の良さを語る先生方はかつては多かったの
今年はこの枕詞がついた話が極端に減少しました。
2024年に就職した新人先生は、
高校3年生~大学生にかけて、コロナ禍の影響を受けています。
大学のサークルを探すためにSNSを駆使し、
授業はオンラインで実施される中で、
対面でのコミュニケーションの機会が激減した世代と言われます。
そのような環境で過ごし就職に至った新卒の先生にとって、
学生と社会人とのギャップは計り知れないものです。
学生時代は、
同じ年代や共通の趣味を持った友人との関わりが中心なので、
対等な関係でのコミュニケーションが常態化します。
自分が言いたいことを言い、話が合えば関係性が築かれやすく、
話が合わなければ距離を置けば良い・・・、
というコミュニケーションのスタイルが存在します。
しかし社会人になると、関わる人の年齢や経験、価値観は様々で、
コミュニケーションの取り方も大きく異なります。
基本的に、
相手中心のコミュニケーションの技術が必要になるのです。
前述したように、自園の軸や価値観を語るためには、
日常的に、上司や先輩はもちろん、理事長先生や園長先生との
コミュニケーションが欠かせません。
新人の先生が、自ら積極的に関わる姿勢や行動は重要な一方で、
今のような時代だからこそ、トップから歩み寄ることも必要です。
子ども・子育て支援新制度が開始されて以降、
共働き世帯の増加や、入園年齢の低年齢化によって、
3歳児から5歳児を対象とした私立幼稚園は
地域のニーズに対応しつつ進化してきました。
施設型給付幼稚園への移行、認定こども園への移行、
学童保育や病児保育、
必要人員も増え、組織の構造自体が変化しています。
担当や役割が多様化することで、マネジメントが複雑化し、
若手の職員は、
組織の姿が変化しているから今の時代は、
組織のヒエラルキーを少し緩めることで、
お互いに歩み寄るコミュニケーションの方法に進化させていきまし
4月から、新人職員を迎える園がほとんどだと思います。
今回は、新体制になるための準備として、
組織内のコミュニケーションが円滑になるためのヒントを一部ご紹
新人職員は、新たに後輩を迎え入れる「先輩」の立場として、
これらのコミュニケーションを実践できるようにする必要がありま
また、後輩に対して伝えられるようになるためにも、
下記の内容を、
1.コミュニケーションのベースは「相手本位」の視点
「相手本位」とは、相手の立場に立って考えることを指します。
仕事は、下図の「人の役に立つ領域」であり、
相手が求めていることや欲していることが仕事になります。
つまり、仕事は相手がいて初めて成り立つものであり、
仕事をする上で、
この考え方を前提としていないと、
自己中心的な考え方となり、権利意識も強くなります。
相手があっての仕事ですので、評価を下すのは第三者であることも
社会人として理解することが重要です。
経験が浅いうちは、多くの仕事が自分一人では完結せず、
周囲から指導を受けたり協力を得たりして、
周りの教職員によるサポートを受けながら、
相談や確認といったコミュニケーションは最重要スキルと言えます
先輩職員に対して、相談や確認をする場面では、
相手が快く対応しやすいコミュニケーションが身につくと、
物事がスムーズに進みやすくなります。
そのために押さえたいポイントは、下記4点です。
① 話しかける時に相手に見通しを持ってもらう
「〇〇の件で報告があるので、3分よろしいですか?」
このようにして話を持ち掛けることで、相手は「
忙しい中でも対応可否の判断が付きやすくなります。
「先輩に相談したくても、忙しそうで話しかけづらい…」
という悩みは、新人職員からよく寄せられます。
相手が応じやすい話しかけ方をマスターすることで、
相談のハードルをグッと下げることができます。
② クッション言葉を使う
「クッション言葉」とは、
本題の前に添える言葉です。
例えば、「恐れ入りますが」「お手数ですが」
後に続く言葉の印象を和らげる効果があり、
相手が言葉を受け取りやすい状態を作ることができます。
③ 必ずメモを取る
メモによって情報を忘れずに記録に残すことができます。
エビングハウスの忘却曲線によると、
教わることの多い新人職員は、初めて知る情報も多いため
自分の記憶に頼らずに、記録に残すことが重要です。
またメモを取ることによって、
教わる側の姿勢として、
④ 認識のズレがないか確認をする
先輩から受けた指示内容や教わった内容について、
自分の解釈が合っているのか確認することで、
情報を正確に受け取ることができます。
例えば、下イラストはいずれも「四角の上に丸が3つ」です。
指示を受けて「分かりました」と一言で引き受けるだけでは、
認識のズレに気が付かずに仕事を進めるリスクに繋がります。
相手が意図した情報を正確に受け取るためにも、
指示を受けた時こそ、「〇〇〇という認識で合っていますか?」
と不明点をクリアにしてから進めていくことが大切です。
3.「ホウレンソウダネ」=報告・連絡・相談・打診・
組織の従業員には「報告」する義務がありますが、
報告は結果に過ぎないので、そこに至るまでの「相談」
しかしただ相談すればよいというものではなく
事前の「打診」「根回し」を適切に行うことで、
トップや上司が安心して仕事を任せられるようになります。
新人職員は覚えることも多く、不慣れな仕事は時間がかかります。
その上行事前などの忙しい時期は日々を乗り切るので精一杯です。
そんな時こそ「何もかもダメだ…」
思うように物事が前進しない時こそ、「ホウレンソウダネ」
「ホウレンソウダネ」によって、
ミスが起こったとしても、周囲がフォローしやすくなります。
トラブルを未然に防ぎやすくなり、
これらのポイントを押さえることで、
新人職員が抱きやすいコミュニケーションの不安を解消しやすく、
周囲との信頼関係を構築しやすくなります。
さらには、コミュニケーションによって学びが得られるため、
保育者としてのスキルアップにも繋がります。
GCLIPでは、上述のような社会人の基本スキルを
3月に開催する新人研修でお伝えいたします。
新人職員が学生気分を脱して
社会人としてスタートダッシュを切れるための
きっかけにしていただければと思います。
また、今回は新人職員だけでなく
組織を率いる経営者にもご参加いただくセミナーとなっています。
新人の受入体制を経営者が中心となって
組織的にアップグレードするための環境整備を整えるために、
下記より詳細をご覧ください。
人材難の時代に出逢えた新人職員が活躍するための
成長基盤をつくっていただければと思います!