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早期に学生との接点を持つ仕掛け
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幼稚園教諭免許を取得した学生のうち
幼稚園・認定こども園に就職する割合をご存知でしょうか?
実は、令和5年度の文部科学省による
幼稚園教諭免許取得学生の就職先データを確認すると、
幼稚園・認定こども園に就職している割合は、わずか 27.1%です。
免許取得者のうち、わずか3割しか
幼稚園教諭、保育教諭になっていないという実態は驚きです。
幼稚園・認定こども園を選択しない背景として、
文部科学省の委託調査
(幼児教育における人材確保・キャリアアップ支援事業調査)では、
「実習」が就職希望に影響することが分かっています。
最終学年への調査結果によると、
幼稚園希望度が低下した学生のうち「実習中」に希望度低下した学生は、
短大で5割、4年制大学で4割という結果でした。
幼稚園希望度の低下には「実習」での経験が大きく影響していると言えます。
希望度低下理由として特に多いのは「個人の責任の重さ」で、
その他は「職場の人間関係」、「適性」、「給与の低さ」などが挙げられています。
「職場の人間関係」については、実習生自身と教職員との関係だけでなく
実習先にいる教職員同士の関係性についての内容も含まれます。
さらに、希望度低下した学生の評価が低いのは
「実習前後のフォロー」であることから、
園による実習前後の丁寧なフォローが、就職意志にも関わると言えます。
実習は、学生が不安を抱きやすいものでもあるため、
園の教職員が実習に対する体験談を伝えたり
実習前に園を体験できる機会を設けることで、
学生の不安解消に繋がりやすくなります。
保育学生がインターネット上で交わしている質問内容を集計し
保育学生が求める情報として整理したところ、
質問 全537件のうち、265件が実習に関する内容でした。
※下記の LINEオープンチャットおよびサイトにて集計
・保育士さん保育学生さんのお部屋(メンバー619名)
・保育士、幼稚園教諭集合!(メンバー1626名)
・保育関係の仕事&保育学生の部屋(メンバー85名)」
・保育学生のたまり場(メンバー88名)
・保育士向けコミュニティサイト「ホイクトーク」
中でも、活動内容に関する不安が圧倒的に多く、
次いで、実習指導者とのかかわり方や実習前の準備などが挙げられています。
来年度の実習生が既に決定している園が多いと思います。
実習前の学生に対して、教職員の体験談を伝える場や
実習に活きる遊びや手遊び等の保育者スキルを伝えるワークショップは
学生にとって、実習に対する不安要素を軽減させる機会となります。
そのため、実習前のフォローとして、
園主催の講座を学生向けに開催してみましょう。
特に大学 1・2年生は、実習前に園と関われる機会が殆どなく
授業数も多く、園でのアルバイトをすることも難しい学年す。
授業ではなく、現場で働く先生からの言葉だからこそ
学生にとっては貴重な得られる情報ですので、
園の先生からの情報を、実習前の学生にダイレクトに届けられる機会を
ぜひつくってみてください。
自園で実習を予定している学生だけでなく、
その友人を誘ってもらうことで
多くの学生名簿を獲得できる場にもなります。
3月1日より、一般企業の採用情報が一気に解禁されました。
多くの企業が就活生のエントリー受付をスタートさせるため、
一般企業の学生は、本格的な選考が開始されるタイミングです。
四年制大学の保育学生であれば、他学部の学生と関わる機会もあるため、
“就活モード”に切り替わる学生を目の当たりにすることになり、
少しずつ就職活動を意識し始める学生が増えていきます。
園としても、来年度の採用活動について
少しずつ考え出すタイミングに差し掛かると思いますが、
採用活動=就職学年の学生に対して実施するもの、ではなく、
低学年の学生にアプローチすることを踏まえて
採用活動を長い目で仕掛けていただければと思います。
保育学生とは、
就職活動が始まる前段階から接点を持つことで、
早い段階から園を知ってもらうことができ
園との関係性を築くことができます。
早期からの学生へのアプローチにぜひチャレンジしてみてください!