DIARY

【新しい時代の組織論】

============
新しい時代の組織論
============

<本文のポイント>
・私たちは時代の変わり目ではなく、既に変わった時代を生きている
・組織はいわゆる「マネジメント」の視点をもってじっくり伸ばす時代
・既に変わった時代に適応すべく「新しい時代の組織論」受講の勧め

<本文>
GCLIPでは先週3月12日(水)に「新しい時代の組織論」という
経営者・園経営に関与する主任以上を対象とした
マネジメントセミナーを実施しました。

これは、例年年度末に開催していた
「新人・若手職員向けの仕事のキホン」セミナーの
前段として、マネジメントする側の先生に聞いていただき、
新人を“成功”に導いていただくために今年から始めた試みです。

※成功とは、若手、新人の先生方が「達成感」と「自己有用感」を感じながら
 自園でのキャリアパスを描ける状態になることをさしています。

結論から申し上げますと、
大変満足度の高いセミナーに仕上げることができました。
(手前味噌で甚だ恐縮ではありますが…)

時代の節目と言われますが、
節目ではなく、私たちは既に変わった時代を生きています。
既に変わった時代においては、
過去の成功の再現性は限りなくゼロに近づきます。
経営のかじ取りも、若者の採用も育成も
全て今の時代にアップデートしなければなりません。
これは、園経営に限った話ではなく、
この社会の仕組み全てが徐々に変わっていく中で、
企業経営も人材育成もコミュニケーションの取り方も
全てがアップデートされて行かないと
非常に生き辛くなる社会を私たちは生きている
と、認識する必要性があるということです。

少しだけGCLIPの話をしましょう。
私たちは2014年に創業してからこれまで、
50名以上のインターン生を受け入れてきました。
3年前に縁のあったインターン生1名を採用しましたが、
この学生さんはいよいよ業務が開始する直前の
3月末に内定を辞退してしまいました。
理由は、
会社が「既に時代が変わったということ」への認識が
薄いというか、無かったことに起因します。

従業員数10名未満と組織規模が小さいという理由で、
規則や制度は機動力高く働けるよう柔軟にしておこうとして、
先延ばしにしていたのが最大の要因です。
経営コンサルティングという仕事は、
その業務特性上、労働集約型となり、
プロジェクトの進行具合によって
業務を引き継ぐタイミングもまちまちですから、
なかなか先の見えにくい状況で仕事を進めなければなりません。
評価軸も粗利等の定量的な部分のウェイトが大きくなります。
目に見える定量的な部分を支える仕事は
なかなか評価されにくいものだったりもしますので、
特定の顧客を担当しないうちはどうしても
先が見えにくくなり、不安が先行してしまいます。

本来こういった課題の解決にどこよりも先に
着手しなければならない経営コンサルティング会社である我々が、
この課題を先延ばしにしてきた結果、
人が定着しにくい企業基盤を築いていました。

これを深く反省し、既に変わった時代に適合すべく、
弊社副社長の林が自身の取り組みと、
理想と考える園経営のマネジメントを組み合わせ、
現場で実践している効果実証済みのノウハウが、
本セミナー「新しい時代の組織論」です。

冒頭の問題提起では少子化でどこの園も園児数が減少している中で、
これまでより職員を多く雇用しなければならない要因、
より多くの人材が必要にもかかわらず、
「幼稚園教諭免許取得者」は全体の1/3しか
就学前教育保育施設に就職しない状況の分析結果として、
採用の競合が「民間企業」にシフトした時代を解説しています。

この課題と対峙するために業界全体として、
若者の特性を理解して、受け入れ態勢を整備しましょう!
と呼びかけています。

今の若者の特徴は、その層をマネジメントする世代から見ると、
なんでそんな風に思うんだろう、、、と不思議に感じるものが多くあります。
例えば、、、
・人前でほめられることが「圧」になる・・・
・横並びでいたい、差をつけないでほしい・・・
・自分で決めたくない(みんなで決めたい=責任を取りたくない)・・・
・自分に対する人の気持ちや感情が怖い・・・

文字だけ見るとなかなか理解できませんが、
情景をイメージし、自分がその立場だったら?と思考を巡らせると、
なんとなく分からなくもありません。

私もマンションの定期総会での発言は極力避けたいと思う時があります。
理由はいたってシンプルで、
決定したことが何らかの原因でうまくいかなかったら
今まで通りでよかったんじゃないの?
無駄な支出になりましたよね・・・
と、直接言われないまでも、思われるだろうなということが、
容易に想像できるからで、
良し悪しは別として、みんなで決めて責任は分散した方がいいよな、
と思うシーンには結構出くわしています。

さて、少し脱線しましたが、
Z世代と呼ばれる1990年中盤以降生まれの若者の特性を覗いてみると、
和平を求める人間本来が持つ性分であり、
現代社会においては比較的多くの人々が持つ特性が見て取れます。

”モーレツ社員”や”ロスジェネ”と呼ばれた世代にとって
Z世代というか、Z社会そのものにとても違和感があるでしょう。
学生時代も新人時代も、自分たちは上の世代にさんざん鍛え上げられて、
次世代を導く時が来たら、相手に寄り添え!指導ではなく傾聴しろ!
と言われるわけですからなかなか腑に落ちないものです。

しかし、これだけ少子高齢社会が進行し(今後さらに進む)になって、
いよいよ猫の手も借りないと事業が回らない・・・という状況だと、
急がば回れではありませんが、「即戦力化」ではなく、
「じっくり戦力化」するための育成方針が必要になります。

日本能率協会の調べによると、理想の上司像は以下のように変化しています。
・仕事について丁寧な指導をする上司・先輩
・部下の意見・要望に対し、動いてくれる上司・先輩
 2012ー2022年の10年間でこの2点は上昇している一方で、
・場合によっては叱ってくれる上司・先輩
・仕事の結果に対する情熱を持っている上司・先輩
・仕事を見守る上司・先輩
この3点は下降しています。

つまり、若者が求めるのは
「仕事に寄り添い」「丁寧なフィードバックをしてくれる」上司であり、
「仕事を任せる」や「叱る」
上司は求められていないということになります。

この話を聞いて皆さんどう思いますか?
「自分は求められていないんだ…」と思ってしまいませんか?
寂しくも私は求められていないなぁ~と思いました。。。

先ほども少し触れましたが、生きてきた時代がまるで違います。
まず出生人口が200万人と120万人という数の違い、
テクノロジーの発達でコミュニケーションの手法が違い、
社会の成熟度による価値観の違いなどがこの状況を作り出しています。

つまり、「時代や若者の価値観」に当てはめたときに、
”求められていない”のであれば、
若者を導く側の人間の導き方を時代に合わせてアップデートし、
仕組み化すればよいのです。

林は「新しい時代の組織論」の中で、この仕組み構築について詳述しています。
賃金設定とキャリアパスの設計について、
ハーズバーグの動機付け・衛生理論を用い、
賃金設定と評価制度は(ないことによってマイナスに作用する)阻害要因となり、
自法人で働く動機づけが弱くなると指摘しています。
将来の安心(見通し)というのは今の時代とても重要な動機付け指標で、
賃金設定や評価制度など成長指標の見える化は
次年度以降制度的に導入がある程度義務付けられる可能性がある程です。

この賃金、評価制度を若者の特性をとらえて設計することができれば、
それに付随した育成計画を立てることができるので、
仕組み化した職員の成長支援として機能していくはずです。

さて、ここまでのマインドセットを経営陣ができれば、
あとは若手を受け入れる人材のマインドセットです。
上司・先輩の「寄り添い」や「フィードバック」が大切としつつも、
若手人材の心持ちも同様に重要です。

昔から変わらない社会人心得や今の時代だからこそ必要な若手マインドなど
インストールしてもらう”社会人としてのソフト”は多岐にわたります。

これらの新社会人をじっくり戦力化するための
”スターターキット”として、本セミナーをぜひご活用ください。
3月27日(木)開催「地域一番園であるための新人研修」
本セミナーは本メルマガでご紹介した、
3/12(水)開催(現オンデマンド配信視聴)の「新しい時代の組織論」
コチラは経営者や経営に携わり指導に当たる主任や幹部向けと
3/27(木)開催の「新人先生の基本のキ」(若手向け)を
セットで受講する今の時代に適合した新たなカタチのセミナーです。

現地受講はお席にまだ若干の空きがありますので、
現地受講をご希望の方はお早めにお申し込みください。
※オンデマンド受講は定員がありませんので、こちらもご検討ください。

時代は待ったなしで進んでいます。
在り方はもちろん大事ですが、今と同じようにこの仕事が好きでいられるよう
できれば本セミナーを通して教育者としての在り方を現場に落とし込む
具体的なやり方をぜひ身につけてください!