【 できることの仕組を理解し、再現性を高め
中学校に入学するとすぐに、
数学の授業で、正の数、負の数という数の概念を
理解するための学習が始まります。
とりわけ負の数という概念の理解に
苦しむ人が多いのですが、
ここで躓くと、、、以降数学は、、、
躓きっぱなしになると言われます。
躓きっぱなしなので、
数学の授業そのものが理解困難となり、
苦痛な時間が続くわけです。
これを「負の数問題」としましょう。
かくいう私も出鼻をくじかれ苦戦したクチです。
反復練習をすることで、
問題自体は次第に解けるようになりますが、
マイナス同士の計算結果への疑問は、
概念の理解なしに払しょくすることは出来ません。
ということで、
既にこの学習を終了している
近しい人17人へ負の数問題を理由を添えて
説明できるか聞いてみましたが、なんと!
16/17の確率でみんな頭を抱えつつ、
うまく説明することができないという結果に至っています。
これはかなり由々しき事態です。。。
さて、そんな負の数問題なのですが、
まずは以下の問題を考察してみたいと思います。
① -4-7=-11
②(-4)-(-7)=+3
③(-2)×(-5)=+10
私とて、計算はできます。
できますが、うまく説明ができないんです。。。
ところが、、、
これら数式をリアリティのある現実問題に置き換えると、
なんとか説明することができそうです。
まず① -4-7=-11 から。
タツヤ君はいまユウキ君に4円の借金をしています。
=-4
手早く返済したいところですが、
キャッシュレス時代に1円玉4枚を入手するのが困難で、
返済が予定より1週間ほど遅れてしまいました。
ユウキくんは返済が1日遅延するごとに、
1円の利息を要求しているので、
7日後には利息が7円へと
膨れ上がってしまったのです。
=-7
もともと4円の負債( – )を抱えていたタツヤ君は
7日間の延滞料として元々の負債額4円に7円の利息を加えた
11円をユウキ君に返済することになってしまいました。
=-11
もともとあった借金-4円
後から追加された利息分7円(利息( -7 )を追加されたと考える)
ということで、-11円ということになります。
– を加えるというのは数式的にも概念的にも
比較的分かり易い問題かと思います。
問題は②です。
(-4)-(-7)=+3
なんで?
となりますが、、、気を取り直して
再度現実問題でみてみましょう。
タツヤ君はいまユウキ君に4円の借金しています。
=-4(ここまでは一緒ですね。)
手早く返済しようと思い、
お金を集めるために奔走しています。
あまりにも必死になっている
タツヤ君の姿をみたユウキ君は
その姿に胸を打たれ、
ポケットにあった7円をタツヤ君に
無条件であげることにしました。
=-( -7)
※マイナス側にあった7という数字を
マイナス(逆に)するのでプラス側に
振れると考えることができます。
もともと4円の負債( – )を抱えていたタツヤ君ですが、
返済のための努力がユウキ君の胸を打ち、
ユウキ君は気前よく7円をタツヤ君にあげることで、
タツヤ君は借りていた4円をその場で返済し、
さらに3円の利益をユウキ君から与えられました。
=+3
もともとあった借金-4円
後に取り除かれた-7円(4円相殺し、3円儲かる)
ということで、 +3円となりました!
つまり、+( – 4)=-( +4)
-4を加えることと、+4を引くことはイコールとなる。
また、-( -7)= + ( +7)
-7を引くことと、+7を加えることはイコールとなる。
ということが負の数問題を紐解く
カギになるということです。
そして最も頭を抱える③ (-2 ) × ( -5) =+10は、
アヤノさんに登場してもらい説明したいと思います。
では行ってみましょう。
ウーロン茶好きのアヤノさんが
ペットボトルに入ったウーロン茶(アイスです)を
1分ごとに2cm減るペースで飲み続けています。
今から5分前の水位(茶位?)は何センチでしょう?
1分間に2㎝ずつ減っている
コップに入ったウーロン茶の5分前の状態ということは、
1分前 (-1)× 2㎝多かった( -2)= +2
2分前 (-1)× 2㎝多かった( -2)= +2
3分前 (-1)× 2㎝多かった( -2)= +2
4分前 (-1)× 2㎝多かった( -2)= +2
5分前 (-1)× 2㎝多かった( -2)= +2
なの で、+10㎝ということになります。
マイナスとマイナスをかけるとプラスになる理由は
このように考えると理解しやすくなるのです。
さて、負の数問題はこのくらいにして、
なぜこのようなことをわざわざメルマガに記しているかといいます
”できる”ということと、
“理解して活用できる”ということは、
何事においても一線を画すのだということを
私自身が改めて体験したからなのです。
DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタルによる変革)
これからの経営には欠かせない!と、
近年幼稚園業界でもささやかれています。
コロナ禍における、遠隔教育・保育なども
その一つの例でしょう。
デジタル変革を起こさないと世の中の流れに
取り残されてしまうといった焦りさえ感じる
大きな波が押し寄せています。
しかし、幼稚園におけるDXとは、いったい何を指すのでしょう?
デジタルでできることは何か?
デジタル化すべきものは何か?
幼児教育や保育におけるデジタルニーズを
きちんと把握したうえで、
デジタル化で強化する部分、
非デジタル化で強化する部分の線引きのジャッジができないと
本当の意味でのDXは訪れないと思います。
幼児教育は人が人(子ども)を導く教育ですから、
DXという言葉だけで先行するのではなく、
再度、自分たちが求められているもの、
子どもや家族、そして地域の子育て世帯が
真に求めているものを理解し、
デジタル化の適性を見極めた上での導入が必要です。
デジタルを理解して、
デジタルを再現性の高い状態で駆使していきましょう。