DIARY

【 必要性を伝える時代の伝達力 】

【 伝わるか伝わらないか、ではなく、伝えることが大切な時代ですよね 】Posted by Shidara

 

日本の出生数は2016年に100万人を切って以来、
減少に歯止めがかからず、
2021年度は81万人台になるとの予測も出ています。

一方全国の待機児童数も減少しており、
全国1741自治体のうち、1429自治体で既に
待機児童無しの状態になっています。

令和3年度の園児募集はこのような状況を経て、
エリアを問わず3年保育(3才児)、
4年保育(満3才児)ともに
1号認定児の入園が減少していて、
1日4時間の教育認定児の獲得は、
今後より厳しさを増していく
と予想されます。

地域の実情に合わせて保育の供給が整備されるので、
待機児童の解消が実現しつつある自治体では、
保育需要と供給のバランスを鑑みて整備検討となると、
仮に認定こども園に移行しても、
2・3号認定の定員設定ができないという可能性
もあります。

需要(教育・保育を必要とする人)に対して、
供給(教育・保育を提供する事業所)が上回ると、
どうしても”買手側”が有利になります。
この場合、
①供給量を減らして需要に対応するか、
②需要を増やすための施策をとるか、

いずれかの選択になります。

自園の置かれている立地とそのエリアにおける、
教育・保育のニーズ(どんな教育を求めているのか?)を調査して、
①、②いずれかの方向に舵を切る必要があります。

①の選択をするのであれば、
3歳未満児の需要を吸収すべく認定こども園化して、
0歳~3歳のマーケットを抑えることで、
今ある定員数を大きく減らさないようにするのが賢明です。

②の選択をするのであれば、入園前の家庭に、
自園の必要性を丁寧に伝えるための取り組みを実施しましょう。

②は特に重要です。
栃木県佐野市にある
洗心幼稚園(幼保連携型認定こども園)では、
園長の佐野延洋先生が指揮官として
園運営のかじ取りをしています。
認定こども園には企業主導型保育施設の利用者を含め、
240名の園児と130名の学童児が在籍しています。
驚くことに、
年長児の約6割が小学校入学と同時に学童に入会します。
人口11.6万人、直近の出生数は700人未満という限られた商圏ですが、
コンスタントに子どもが集まってきます。

最大の理由は、その伝達力にあります。
自園で提供する教育・保育環境やその内容と必要性を
ホームページや広報物、
園だよりなどを用いて丁寧に伝達
しています。

https://senshin.net/%e5%85%a5%e5%9c%92%e3%82%92%e3%81%8a%e8%80%83%e3%81%88%e3%81%ae%e7%9a%86%e6%a7%98/

文中において、
やり抜くチカラは毎日の継続から生まれ、
挑戦することで乗り越えることが、
人生においていかに重要なことなのかを説き、
それらの力を幼児期に自園で養えることを
ロジカル(論を)に、且つハートフル(熱と共)に、
丁寧に伝達していることが分かります。

人はロジックで納得し、
感情で動く動物といわれますが、
まさに子育て家庭への問題提起であり、
子どもの将来に思いを馳せる親が情報を受け取った後、
主体的に行動したくなる文章構成になっています。

市場が飽和し、買手が有利な現代社会において人は
違いが判らなければ、身近で手軽なものを選択します。

違いを知ってもらうためには、
①内容とその必要性を丁寧に伝えるチャネル(道)を整備する
②情報への接触頻度を高め、知らない人にきちんと届ける
③信念(軸)をブラさず根気よく、何度でも説明する

の、3つがとても重要なのです。

10月の衆議院選挙で、
ブランド候補者と呼ばれる方の落選が目立ちました。
ラグジュアリー(豪華な、贅沢な)ものを好まない世代の有権者は、
ブランドよりも、政策の具体性や候補者の人柄、
国の未来を託すに値する可能性に投票したことが要因
との見方がありますが、
これも、①~③が該当する一つの例だと思います。

「何を身にまとうか?」よりも、
「何のためにそれを身にまとっているのか?」
「結果、社会にどんなプラスがあるのか?」

この辺りの本質的なものが評価されるのが、
令和という時代なのかもしれません。

幼児教育も保育も、
自園の教育を通して何を育て、どう育つのか?
を丁寧に説明していくことが重要な時代です。

是非、自園の内容と必要性を整理し、
丁寧に伝えていってください。