DIARY

【 あけましておめでとうございます 】

【 一年の計は元日にあり 】Posted by Hayashi

 

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご愛顧を賜り、
厚く御礼申し上げます。
本年も変わらぬご厚誼を賜りますよう
宜しくお願い申し上げます。

2020年、2021年は年を通じて、
新型コロナウイルス感染症により、
思い通りに進まない年であったと思います。

それと同時に、
今まで当たり前とされていたものが
大きく変化をしてきた年でした。

<雇用の変化>
コロナウイルス感染症によって、
大きな打撃を受けた企業は
売上を伸ばすことが出来ず、
雇用が難しくなってきています。
そのため、企業側も副業を認めることになり、
複数の企業を掛け持ちする人材が増加しています。

また、終身雇用制度の要素が強かった人事制度も、
成果主義的な制度に切り替わりつつあります。

会社の売上が安定しない今、
人事制度を見直し、人材を絞り、
コンパクトな経営をするという企業も増えています。

<コミュニケーション機会の変化>
2020年から2021年にかけて、
職員間のコミュニケーション機会の創出に
苦労をしたという方々も
多いのではないかと思います。

子ども子育て支援新制度スタート後、
施設型給付制度に移行することで、
職員配置が増えたという園も増加しています。

その結果、チャットワークやMicrosoft Teams、
LINEを使用するなど、
園内でのオンラインコミュニケーションツールを
活用する園も少しずつ増えてきました。

しかし、
そういったツールを導入していなかった園にとって、
新型コロナウイルス感染症は、
コミュニケーション機会を
大きく減少させることに繋がりました。

さらに言えば、
そういったツールを
用意していた園であったとしても、
対面でのコミュニケーション機会が減少し、
離職に繋がったのではないかと
仰る方々も多くいらっしゃいます。

1月1日の日経MJ新聞には若者の酒類の購入や
友人とのつながりの傾向についての
アンケート調査が掲載されていました。

特徴としては二つです。
・酒類について「酒類は飲まない」
 と回答した若者が最も多かった
・友人関係について「友人は少なくて構わない」
 という回答が半数以上であった

広く浅い「付き合い」というものを
若者は求めていないということが
良くわかるデータ
でした。

先程の副業の話もありましたが、
一つの場所で仕事を続けていく、
ということ自体が難しい時代であり、
関係性構築についても希薄になりつつありますので、
今後はいかに園への帰属意識を高めていくか、
ということが重要
になります。

全体では叶わなくとも、
定期的に先生方同士で
お茶会ができるような場を設け、
気軽な雰囲気で
先輩後輩のコミュニケーションを促す、
という取り組みをしている園もあります。

「付き合い」という関係性を超えていくためには、
コミュニケーションの量が必要
になります。

そのための場は日々の業務をこなす中では
なかなか実現できません。

また仕事のミスやズレは
殆どがコミュニケーションのズレです。

ぜひコミュニケーション機会を
創出するための仕組みづくり

力を注いでいただければと思います。

<消費行動の変化>
世の中が不透明であることで、
生活に対する不安も大きくなっています。
その中で若者の消費行動が
エシカル消費へと変化しています。

エシカルとは倫理的や道徳的という意味であり、
道徳的消費という場合もあります。

コロナウイルスとの関連性以上に、
SDGsとの関連性が強い動きではありますが、
若者の消費行動が、
少しでも社会に役立つことを念頭に置いた
消費行動に変化
してきています。

例えばあるお菓子のテレビCMでは、
お菓子の味や食感のほかに
パッケージが何でできているか、
ということを強くアピールするものが出てきています。
昔からエコに対しての発信をしていた
企業が多いのは確かですが、
最近では明らかにその取り組みに対しての
訴求が強まっている
と感じます。

メルカリが流行しているのも
消費行動が変化している証拠です。

幼児教育業界でも、
これからの子どもたちの未来や、
環境問題を考え、
保育の中にSDGsの発想を
取り入れる園が増えてきました。

しかしこういった取り組みの中で
一つ注意点があります。

インターネットが発達し、多くの世代で
インターネットからの
情報収集能力が上がっています。

最近ではInstagramなど、SNSでの発信の中で、
「映え」をねらった発信が増え、
過度な作り込みをしている情報に対して
嫌悪感を持つ人が増加している
と言われています。

そのような中で、
情報発信で重要なことは
フェアネスだと言われています。
フェアネスとは公正なこと、美しさのことです。
情報発信において、
不正やウソ、作りこみのない発信が
重要だということ
です。

当たり前ですが、SDGsなどの取り組みに対しては、
情報発信を前提にした取り組みではなく、
しっかりと園内に浸透させ、取り組む必要があり、
その等身大を表現していくことが重要です。

その本気の取り組みや等身大の取り組みが
共感を生むということを忘れてはなりません。

今、時代はVUCAの時代と呼ばれます。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)
これらのことをまとめ、

先行きが不透明で、
将来の予測が困難な状態のこと
を指します。

幼児教育業界は少子化、
共働きの増加、そして多様化が起こっています。

また新規の保育所の立ち上げが少なくなった今でも、
幼稚園の施設型給付への移行が進むことで、
人員配置を増やす園が増え、
採用活動も引き続き難しい状態が続いています。

2020年末のメルマガでも
掲載をさせていただきましたが、
昔から四計と呼ばれる言葉があります。

一日の計は晨にあり
一年の計は春にあり
一生の計は勤にあり
一家の計は身にあり

この中の「一年の計は春にあり」という言葉は、
今では「一年の計は元旦にあり」ということになります。

先行きが不透明な時代であり、
年間を通して予測できない事態が
起こることは間違いありません。

しかしその事態に振り回されながら、
一年間を終えるのではなく、
振り回されながらも、何かを実現できるように
準備したいものです。

そのためには計画や目標が重要です。

また、以前にある先生から
幼児教育業界は特に年間の行事や日々の活動が、
決まったものになりがちであり、
変化がしづらい業界だと
教えていただいたことがあります。

これからもさらに時代は変化していきます。
その変化に柔軟に対応していくことが
組織全体として求められます。

計画を立て、それを先生方と共有し、
変化に備えることもとても重要
です。

一方で先行きが不透明であることから、
当初立てた計画が時代に合わなくなる
ということも発生します。

そういった場合は柔軟に計画を変更し、
その都度情報を共有していくということが重要
です。

そのためにはやはり
コミュニケーションが取れる場が必要
です。

ぜひこの年初に計画を立て、
新しい年のスタートを切っていただき、
園内のコミュニケーション機会の創出に
力を入れていただければと思います。

皆様にとりまして素晴らしい1年となりますよう、
心よりお祈り申し上げます。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。