DIARY

【 箱根駅伝に学ぶ 】

【 今年も箱根駅伝に学びました 】Posted by Shidara

 

正月の風物詩、箱根駅伝。
今年は、青山学院大学が圧巻の走りで
10時間43分42秒という
驚異的な大会新記録を打ち立て、
見事総合優勝を果たしました。

箱根ファンの私は毎年の恒例行事として、
2日、3日はテレビにかじりついて選手の力走と
リポーターの熱のこもった実況、
そして、運営管理車両から拡声器で
選手をリードする監督の言葉に
目頭を熱くしながら応援しています。

この箱根駅伝ですが、
スポンサーになると約60億円の
経済効果が見込めると言われています。
優勝校は受験者数が増えるので、
受験料だけで4億から5億の
経済効果が生まれるといいます。

このような経済効果もあるので、
いい選手を獲得するために
各大学はスカウトに力を入れます。
もっとも注目を集め“花の2区”とよばれる
鶴見ー戸塚区間で
外国人留学生の登用が多くみられるのも、
各大学勝利へ向けた戦略をベースに、
少しでも順位を上げて注目を集めることで
この経済効果を上げようという思惑は働いているはずです。
当然と言えば当然です。

箱根駅伝に出場している選手は
次の4つに分類されるといいます。
1.特待生(学費免除)+奨学金(償還義務無し)
2.特待生(学費免除)
3.スポーツ推薦(学力試験免除)
4.一般入試(一般受験)

外国人留学生は1に該当します。
学生スポーツですので、
学業が第1で、
部活は学業と両立するという前提ではありますが、
1に該当する外国人留学生は、
給料を得て大学の認知度を上げるために走るという
職業に就いているという見方
もできます。

区間賞をとった留学生のインタビューが
日本語でうまく受け答えができていなかったりすると、
”職業ランナー”というイメージが
少なからず見え隠れしてしまうのがその理由です。

一方、ブランド校と言われる
青学大、駒澤大、東洋大、東海大、
伝統校と言われる、
中央大、早稲田大、明治大、日体大などは、
外国人留学生の起用はありません。
これらの大学には強い(タイムの早い)高校生が
憧れをもって入部してくるので、
1に該当する外国人留学生を
積極的に獲得する必要がないからだと思います。

上記ブランド校、伝統校の中でも
2015年の初優勝以来、原晋監督のメディア露出により
ユニークな発想、指導法が話題となり
その存在感を確固たるものにした
青山学院大学の強さが際立って目立っています。

青学大の強さの秘訣は
大きく分けて次の3つにあると考えています。

①高みを目指す目標設定
2年前の第96回大会で10時間45分23秒という
自らの大会新記録を塗り替える
2012年までは「11時間の壁」が定説
と言われていた箱根駅伝で、
10時間50分の壁を初めて破ったのは2015年の青学大です。
2年前に自らの大会記録を更新して
10時間45分という大記録を樹立しながらも、
そこで満足しないのが、青学大最大の強さだと思います。
イチロー選手も常に過去の自分と比較して
目標設定をしていたといいます。
強さの秘訣は、進化にあり、
進化の秘訣は、現状に満足しないことにあることを
今大会の青学大がまた一つ証明してくれました。

②内部コミュニケーション
原晋監督は、箱根駅伝の名将のうち
学生との距離感が最も近いと言われます。
近年では、
駒澤大の大八木監督も
選手とのかかわり方を変えたと報道されています。
かつては、
選手の方から監督に声をかけるまで待っていたといいます。
元来「お前、男だろっ!」と声を荒げ
運営管理車から檄を飛ばす熱血指導が有名で、
選手も近寄りがたい存在だったという大八木監督が、
2018年のシード落ちを機に
自ら学生に近より声をかける指導法に変え、
駒大復活の起爆にしたといいます。
原監督は、学生との距離感は近いが、
中心軸は厳しい指導者だといいます。
厳しさと距離感に相関関係はありません。
厳しいけど、距離感が近い(慕われる)人の特徴は、
「相手のために“時間”を使う」ところにありますので、
これは参考にしたいものです。

③自立
駅伝は団体競技ではあるのですが、
20㎞以上もの距離を一人で走り、
次の奏者へタスキをつなぐという
過酷な競技でもあります。
自分だけいいタイムで走ればいいのではなく、
チームがいい走りをするために、
自分はどうすればいいのか?を考えながら
自らがチームに貢献する競技です。
では、自らチームに貢献するために最も大事なことは何か?
それは、目標を高く持って、実現する努力をすることです。
3代目山の神とよばれた青学大の神野大地選手は、
5区山登りを好走するために、全体練習の後、
山登り強化練習を自主的にやっていたそうです。
華々しい記録の陰には必ず涙ぐましい努力が隠れています。
このような自己管理をして、チームのために
パフォーマンスを上げる力を高める全ての行動
自立と呼ぶのだと思います。

新年初めのメルマガで林が
VUCA(先行きが不透明)の時代は
計画を立て、全職員と共有し、
変化に備えることが重要だと指摘しました。
変化に備えるために、柔軟に計画を変更し、
その都度情報共有するために、
コミュニケーションの場を用意し、
積極的にコミュニケーションをとる“行動”が大事です。

相手に求めても何も変化は起こりません。
自らが変化(進化)し、大八木監督のように
再び強いチームをつくれるよう私も精進して参ります。

2022年がより素晴らしい1年となりますよう、
VUCAに備えた自らの進化計画を立てよう!

第98回箱根駅伝はそんなことを私に教えてくれました。