DIARY

【研修効果を最大化させるには】

Posted by Hayashi

 

3月末から4月頭はたくさんの研修が開催されています。
 
この2年間はコロナ禍ということもあり、
研修についてもオンラインやオンデマンドなど、
オフラインでの研修が少ない傾向にありましたが、
今年についてはオフラインでの研修も
各園で積極的に行われているようです。
 
 
Gクリップコーポレーションも
3月24日に「モテる新人育成セミナー」
開催させていただきました。
 
新人から若手の先生方を中心に、
社会人としての姿勢やマインド、
組織の中での新人の役割など、
働き出す前だからこそ理解しておきたい内容を
盛り込んだセミナーとなっております。
 
今回はオンデマンド配信も行っておりますので、
ご興味のある方はぜひ一度このメルマガの下部にあるご案内を
ご確認いただけますと幸いです。
 
 
 
今、国の方向性として、幼保業界は
待機児童の解消から、質の向上という視点
切り替わりつつあります。
 
質の向上を目指していくためには
研修は欠かすことのできないものです。
 
また、施設型給付に移行している園にとっては、
処遇改善等加算Ⅱの研修要件が開始されるなど、
研修が園経営に影響を与える可能性も出てきています。
 
 
このような中で如何に研修を効果的にするか、ということは
以前にも増して重要な事柄になっています。
 
 
研修効果を最大化させるためのヒントになる言葉として、
「認知的不協和」という言葉があります。
 
 
認知的不協和をWikipediaで調べると
「人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、
またそのときに覚える不快感を表す」
と説明されています。
 
そして人間はこの不快感を解消しようと
行動や態度を大きく変えてしまうという習性があるそうです。
 
言い方を変えると、
人間は自分の選択したものやことに対して、
その選択への自尊心を持っており、
その自尊心を傷つけられたくないという思いがあります。
 
そしてその自尊心を守るために
その後の行動や態度を大きく変えてしまうという習性があるということです。
 
 
研修を例にすると、自分が選択した研修が
つまらないものであった場合に生じる不快感が認知的不協和です。
 
人間は認知的不協和を解消しようとしますので、
つまらない研修も素晴らしい研修だったと捉え、
そこからの学びを深める傾向にあるのです。
 
 
また、苦労して獲得した権利は大切にするが、
苦労せずして獲得した権利は簡単に手放す
ということもこの認知的不協和が原因だと言われています。
 
 
実際にある心理学者が、
とてもつまらない討論会の録音データを用意し、
苦労して討論会の録音データを聞く権利を得たAチームと、
苦労せず討論会の録音データを聞く権利を得たBチームに分け、
同じように討論会を聞いてもらった場合の反応を調べる実験を行っています。
 
その結果、
Aチームは素晴らしい討論会だったと誰しもが答え、
Bチームはつまらない討論会だったと誰しもが答えたそうです。
 
最終的には本当に同じ討論会を聞いたのか疑問に思うほど
それぞれのチームの反応は大きく異なっていたそうです。
 
 
ある園では
・自分がその研修を受講するかどうか決める
・その研修を受講するためには費用を一部自己負担してもらう
という二つのことを行った上で、
研修に参加するという流れを作っています。
 
 
これは認知的不協和の視点で言えば、
研修効果を最大化させるために
とても重要な過程であるということが分かります。
 
 
また、研修だけではなく、
認知的不協和をもとに考えると、
本についても借りるよりも購入するほうが良い
ということが分かります。
 
 
年間を通して常に学ぶことは大切ですが、
特にこの3月から4月は学びを深めていくチャンスです。
この大切な時期にその効果を最大化させるためにも、
認知的不協和を一つのヒントに、研修受講の流れを
工夫してみていただければと思います。