Gクリップコーポレーションのデータでは、
各園のリクルートに関するWEBページの
閲覧数が増加する時期は春(4月から6月頃)と秋( 9月から11月頃)
ということが分かっています。
この時期は学生が情報を集めている時期だと考えられますので、
この時期にリクルートページの情報の更新のほか、
養成校にアプローチをかけることが望ましいと言えます。
先日、私もある園に同行し、
複数園の養成校訪問をさせていただきました。
この1年から2年はコロナウイルスの影響によって、
学校側もなかなか訪問を受け入れないという状況でしたが、
今年度は訪問を受け入れていただける可能性が高まっています。
ぜひこの春に積極的に養成校訪問を進めていただければと思います 。
養成校を訪問し、学生の動向を探ることはとても重要です。
今回の訪問で話題に挙がったお話を何点かご紹介します。
・学生の就活の動きは養成校によって大きな差がある
・ピアノが原因で幼稚園を選択しないという学生は今も多い
・最近では保育士修学資金貸付制度を利用している学生が多い
・働きやすさに力を入れ、 アピールしている園は学生に刺さりやすい
・各キャリアセンターでは実習で就職先を決めるのではなく、2, 3園の見学を推奨している
一つずつ簡単に話の概要をお伝えします。
・学生の就活の動きは養成校によって大きな差がある
実習をしっかりと行ってから就職活動をするように指導している学 校や、
すでにキャリア支援課で就職に関するセミナーを開催している学校 、
最終学年になった時点で就職活動を意識させている学校など、
学校によって就職活動の動きが大きく異なっているようです。
すでに就職が決まっている学生もいるという学校もありましたし、
就職活動は11月頃がメインという学校もあります。
重要なことは自園と関係性が深い(卒業生がいる、 園から近いなど)学校について
どういったスケジュールで学生が動いているのかを把握しておくこ とです。
それによって仕掛けをするイベントも大きく異なるためです。
ぜひ学生のスケジュール観を掴んでください。
・ピアノが原因で幼稚園を選択しないという学生は今も多い
ピアノは大きなハードルであり、訪問した複数の園で
就職試験の中にピアノがあるかどうかの確認がありました。
ピアノがある場合はそれだけで対象から外れることがある
ということでしたので、 求人票での出し方は工夫をしたいところです。
・最近では保育士修学資金貸付制度を利用している学生が多い
保育士修学資金貸付制度についてはご存じでしょうか?
多くの社会福祉協議会で行われており、 修学資金として月額最大で5万円、
入学準備金最大20万円、 就職準備金最大20万円などを貸し付けるというものですが、
基本的に貸付を受けた都道府県内の保育所等に就職し、 5年間働くことで
貸し付けられた金額を返還しなくてよいという制度です。
この制度は多くの学生が利用しており、
就職するときに保育士修学資金貸付制度の返還免除の対象園かどう か、
というところがとても重要であり、確実に返還免除になる
保育所を選ぶ傾向があるらしいのです。
幼稚園の場合、預かり保育の日数の基準などがあるため、
学生から見た場合、本当に返還免除の対象園かどうか
というところがわかりづらいのです。
今後は求人票などの中に保育士修学資金貸付制度の返還免除対象園 である
ということを明記することをおススメします。
・働きやすさに力を入れ、 アピールしている園は学生に刺さりやすい
ICT化を図り、手書きのものを極力減らす、
ストレスチェックを行い、現在の職員の状況を確認し、 細かくケアしていく、
休憩、ノンコンタクトタイムを作るとともに、
気持ちよく過ごせる休憩室を用意する、などなど、
働きやすさをアピールすることによって、学生の注目度はあがるよ うです。
社会福祉法人や株式会社が運営する保育所、認定こども園は、
上記の内容を行っている園も多いと聞きます。
幼稚園でも今までの概念にとらわれず、
大きく変化していく必要があるのではないでしょうか。
・各キャリアセンターでは実習で就職先を決めるのではなく、2, 3園の見学を推奨している
実習からの就職というパターンは多くの園で経験があるのではない かと思います。
実習の中では学生の様子も分かることから、 安心して就職を勧めることができます。
しかし、最近の人材難によって、 多くの園がこのパターンで採用活動を行っており、
学校側が警戒しているケースが出てきています。
なぜなら実習で就職先を決めてしまうと
学生が他の園を見ることができずに就職が決まってしまうためです 。
学校としては学生に気持ちよく就職してほしいと考えていますので 、
複数の園を見てから就職先を決定するように指導をしているようで す。
昨年も実習や見学に来園した学生に対しては、
「押すのではなく、引いてみる」ことが大切だということを
このメルマガでお伝えさせていただきましたが、
そのトレンドはまだ続くように感じます。
養成校に訪問したとしても、
就職に直接つながらないということはあるかもしれませんが、
足を運ぶことで見えることや感じることがあります。
特に卒業生がいるという学校については、
養成校側も卒業生のことを気にかけているケースが多いので、
ぜひ訪問をしていただき、 卒業生の様子をお伝えしていきましょう。
養成校とのつながりは採用活動に大きな効果を発揮することは間違 いありません。
ぜひ積極的に動いていきましょう。