先日、私学助成制度で運営している幼稚園で
新制度移行を想定した6つのパターンの試算をしました。
直近3年の決算書より公定価格分平均収入を算出して比較するので すが、
すべてのパターンにおいて、‟収入増”という結果がでました。
この時点で収入に関してはクリアしましたが、
認定こども園になった場合の土曜開所と2号児への給食の提供が
幼稚園の教育方針とどうしてもズレるということで
認定こども園への移行という選択肢が消えました。
子どもの未来を考えたときに、
お弁当づくりや週末親子で過ごすことの重要性は
自園の教育方針としてずらせないのでこのまま頑張ります!
このような判断のプロセスがとても大事になります。
子どもの出生数が減少していますので、
当然、”通いやすさ”をベースに選択する側である利用者に
寄り添った施設形態や運営は大事な要素です。
そもそも収入が維持できなければ経営は成立しませんので、
収支計算をきちんとしたうえで運営が維持できる制度を選択するこ とは
絶対に外してはいけない視点になるはずです。
原油価格や原料価格が高騰しているのに、
価格を上げるとお客さんが減るという‟思い込み”で
値上げに踏み切れないお店が多いと言われます。
原価3割で800円のランチが1日100食売れるカフェでは、
56000円の粗利を獲得することができます。
この状況で原価が1割高騰すると、 粗利は48000円に減少してしまいます。
1食あたり80円値上げしないと、 元の粗利を確保できませんので、
ここは迷わず値上げをするべきですが、できないのです。。。
「 周りが値上げをしていないのにウチがやったらお客さんが来なくな る・・・」
という理由がほとんどだそうです。
さて、パーパス経営という言葉が注目されていますが、
日本のような成熟社会で主体性をもって動くというのは、
「自分たちが何のために存在しているのか?」 の存在意義を行動で示すことで
消費者の共感を得ていく活動と言い換えることができそうです。
先の値上げの例にある周りと同調して決めるのは、
自社と他社の存在意義にさほど違いはありません、
というメッセージを発しているのとほとんど変わりありません。
これでは値上げはおろか、存在し続ける事もままなりません。
新制度移行や満3歳児の受入れは、
存在意義や目的によって決定されるべきですし、
入園金や月謝の値上げは、
提供する価値の向上等理由を説明できる状態に整えてやらないと
納得や共感といった支持はなかなか得にくい時代になりました。
自園の存在意義を言語化して発信し、
自園が目指すべき将来像をできる限り明確に描き、
その将来像を実現するための取り組みを
丁寧に説明することで‟納得”と”共感”を集める
マーケティングを実践していきましょう。