DIARY

【マーケティング5.0】

早速ですが、ぜひ一度このCMをご覧ください。
 
 
 
なんとこのCM、AIが台本を書いたCMです。
マーケティングにAIが密接にかかわる時代になっています。
 
 
2006年にマーケティング3.0という本が出版されました。
フィリップ・コトラーという方が書いた書籍です。
 
フィリップ・コトラーとは世界で最も有名なマーケッターであり、
世界のマーケティングをけん引している人物です。
 
マーケティング3.0の後、2016年にマーケティング4.0
という書籍が出版されました。
 
そして、最近日本語版でマーケティング5.0という書籍が出版されました。
 
 
時代に合わせてマーケティングが進化していることを、
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0と表しています。
 
簡単にそれぞれのポイントを解説させていただきます。
 
 
1.0の時代とは製品が中心のマーケティングであり、
出来る限り大量生産を行い、製品を売るということが
マーケティングの中心に置かれていた時代です。
 
このときはまだ時代背景として「もの」が乏しく、
各家庭に「もの」が行き届いていなかった時代です。
 
だからこそ、大量に作っても、
「もの」が売れていく時代だったと言えます。
 
 
2.0の時代とは消費者中心のマーケティングです。
 
よく私たちもマーケットインという言葉を使用しますが、
消費者のニーズをくみ取り、そのニーズにあった商品を
作りこんでいかなければ「もの」が売れないようになってきた時代です。
 
よく洗濯機の話をさせていただきますが、
洗濯機も一家に一台の時代になると、
普通の洗濯機は売れなくなってきました。
 
乾燥機がついているものや、よく汚れが落ちるもの、
時短が可能な機能がついているものなど、
それぞれのニーズにあった機能を付けるようになったのです。
 
だからこそこの時代はニーズをくみ取ることが重要な時代でした。
 
 
そして、3.0の時代がやってきます。
 
この時代は価値中心のマーケティングと言われています。
 
インターネットの発達によって、
情報収集が簡単になったことによって、
消費者はその商品だけではなく、
商品を作っている企業の情報まで
簡単に得ることが出来る時代になりました。
 
その結果、商品だけではなく、
その商品を作っている会社が社会にとって必要なのか、
本当に価値あるものなのかというところが
重要になってきた時代だと言われています。
 
だからこそ、この時代は「ブランド」が大切だと言われました。
 
 
4.0の時代は自己実現のマーケティングだと言われています。
 
インターネットだけではなく、「もの」も溢れ、
豊かになったことによって、
自分の好きなことをして生きる、
という価値観が強くなってきています。
 
この時代に重要なことは、消費者の価値観と
企業の提供できるものの価値観を
どれだけマッチさせることができるか、
というところが重要な視点になったと言われています。
 
同時にその発信方法としてデジタル媒体が
中心に置かれ始めたのもこの4.0からです。
 
今、SDGsが注目されていますが、
コトラーは2006年のマーケティング3.0の段階で
社会性のマーケティングということを強く打ち出し、
マーケティング4.0では自己実現というキーワードがありますが、
今でもその流れが続いています。
 
 
今回の5.0の時代はテクノロジーをフル活用した
マーケティングの時代です。
 
冒頭でご紹介させていただいたレクサスのCMは、
マーケティング5.0を表しているCMです。
 
Aiが発達し、人間が行うべきことと、
Aiでも行えることで分かれ始めています。
 
例えば多くの人がインターネットを通して買い物をしています。
インターネットで買い物をすることによって、
そこに購入の履歴が残り、買い物の傾向がわかります。
 
こういったデータをAIが分析していくことによって、
今までは”全体の傾向”で捉えていたものが、
”個人の傾向”によって捉えることができるようになり、
より個人の趣味嗜好にあった商品を提供することができる時代になっていきます。
 
コトラーは「セグメンテーション・オブ・ワン」という言葉で表現していますが、
より一人ひとりのニーズをくみ取り、
精度の高いマーケティングをすることができるようになるのです。
 
身近なところで言いますとGoogleやfacebookの広告も個人の傾向をもとに、
閲覧者にとって最適な広告を表示させるように仕組化されています
 
例えばGoogleでは年収で区切って広告を打つことができますが、
これは過去の商品の購入履歴からおおよその年収を導き出し、
広告を表示させる仕組みになっています。
 
多様化する時代ですが、
その多様な価値観に応えていき、
どれだけ一人一人と向き合うことができるかが、
マーケティングで重要になっていくようです。
 
 
 
冒頭のレクサスのCMはぜいたく品の市場での
過去の受賞作品についてのキャンペーンを分析し、
AIに覚えさせ、CMの台本を書かせたようです。
すでにある情報からルールを導き出し、
最適な内容を提示することはAIの得意分野です。
これから多くのことがAIによってできるようになります。
 
私たちはそれを上手に活用していく力をつけなくてはなりません。
 
 
これから園児募集が本格化していきます。
 
インターネットを活用した広告は
まだまだ幼児教育業界では馴染みがありませんが、
その精度は高まってきています。
 
また、広報だけではなく、内部へのマーケティングでも、
テクノロジーを駆使することは重要な時代です。
 
 
園児募集も採用も、そして組織マネジメントも難しい時代です。
 
テクノロジーを活用し、
より細かく丁寧に一人一人と向き合うことがこれからの時代に重要です。
 
時代とともに新しいことにチャレンジし、
マーケティングを進化させていきましょう。