DIARY

【スターバックスコーヒーの地域戦略とイミ消費】

<本文のポイント>
・消費の傾向はモノやコトからトキ、イミへ
・近年のスターバックスの戦略はまさしくイミ消費への対応
消費者は自分が消費するものの背景や意味を考えるようになってい
・改めて地域密着の戦略を!
 
 
 
スターバックスコーヒーは、
昔からミッション宣言として以下の内容を掲げています。
 
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当社の原則を一貫して守りつつ事業を拡大し、
世界の最高級コーヒーの加工から小売まで一貫して扱う
一流コーヒー専門会社としてのスターバックスを築いていく。

【行動指針】
・お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる
・事業運営上での不可欠な要素として多様性を受け入れる
・コーヒーの調達や焙煎、新鮮なコーヒーの販売において、
 常に最高級のレベルを目指す

・顧客が心から満足するサービスを常に提供する
・地域社会や環境保護に積極的に貢献する
・将来の繁栄には利益性が不可欠であることを認識する
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また、最近では新たに「ミッション&バリューズ」として、
以下の内容を掲げています。
 
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「MISSION & VALUES」
<OUR MISSION>
人々の心を豊かで活力のあるものにするために 
—ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから—

<OUR VALUES>
私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Valuesを日々体現します。
お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化を作ります。
勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。
スターバックスと私たちの成長のために。
誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。
一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。
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上記のような想いの中に、
「地域社会や環境保護に積極的に貢献する」や、
「コミュニティ」という言葉があります。
 
スターバックスは今、地域限定や、地元フラペチーノなど、
地域密着に力を入れています。
 
例えば「リージョナル ランドマーク ストア」
という取り組みがあります。
 
<リージョナルランドマークストアの説明>
「日本の各地域の象徴となる場所に建築デザインされ、
地域の文化を世界に発信する店舗の総称です。
訪れる人々がその地域の歴史や伝統工芸、文化、産業の素晴らしさを再発見し、
その発見を通じて地域へ絆を感じられるよう、
様々なローカルのデザインエレメントを織り込んでいます。」
 
 
この取り組みの背景には
・地域社会の活性化
・地域の魅力の再発見
・関係人口の増加
という地域社会への貢献が含まれているのではないかと思います。
関係人口とは、その地域と多様に関わる人口のことで、
例えば東京の人がある地方に足を運んだ際に、
その地方の野菜のおいしさを気づき、
後日、その地方から野菜を取り寄せたりする
ということも関係人口の一つです。
 
 
 
時代の流れとともに、消費者の消費スタイルは変化します。
大きく分けて現在までに4つの消費スタイルに変化していると言われています。
 
モノ消費→コト消費→トキ消費→イミ消費
です。
 
 
モノがまだ少なかった時代は多くの消費者が
ものへの価値を感じて消費をしていましたので、
モノ消費の時代と呼ばれていました。
 
 
そして、モノが少しずつ増え、
モノへの消費意欲がある程度満たされていくと、
今度は人が経験していない体験をしたいという
体験への価値を感じて消費をしていく傾向になりました。
それがコト消費の時代ということになります。
 
 
自分自身の体験も満たされたとき、
今度は仲間と過ごすことや、
その時にしかできない特別な時間の共有をしたいという
参加への価値を感じて消費をしていく傾向になりました。
例えばキャンプや女子会などです。
これがトキ消費です。
 
 
そして、今はイミ消費の時代と言われています。
 
イミ消費は「貢献への価値」と言われ、
例えば商品を購入する際も、
出来る限り社会的な課題を解決しているものや、
社会に対して貢献できるものを消費する
という消費スタイルのことを呼びます。
 
先ほどのスターバックスの取り組みは、
まさしく地域に密着し、地域社会への貢献を
前提にした取り組みになっています。
 
 
アウトドアブランドのPatagoniaをご存じでしょうか?
このPatagoniaは昔から事業を通して、
地球環境の課題に対して向き合っている代表的な企業です。
 
ホームページを見ていただくと、
その想いがよくわかります。
 
 
例えばPatagoniaは製造そのものが
地球環境に影響を与えているという考え方から
「フットプリント・クロニクル」
という取り組みを行い、自社の製品が
どういった素材で、どこで作られているのか
という製造過程を公開しています。
 
商品の背景にあるものが何か、
そしてそのイミは何かを伝えることで、
その想いを自分事として捉え、消費を決める
ということがイミ消費です。
 
 
幼保の業界もポスト待機児童に突入し、
待機児童の解決という大きな社会的課題が解決されつつあります。
 
そして、施設が余る傾向になりつつあります。
 
供給過多になりつつある今、
開所時間や給食の頻度、料金設定など、
目に見えてわかりやすいものは、
同じ地域であれば横並びになりつつあります。
 
このような状況だからこそ、保護者の方々は
園を選ぶ「イミ」を大切にしていくと想像されます。
 
そのイミにはもちろん教育内容や保育内容は含まれると思います。
しかし、イミ消費の時代はそれだけではありません。
 
イミ消費を考える際に
貢献への価値というキーワードを
しっかりと抑えておくことが重要です。
 
これは自園だけが良くなれば良いという考え方ではなく、
自園が社会や地域でどういう役割や責任を担い、
貢献をしているのかということが重要になってきているということです。
 
 
ぜひ改めて自園の地域での役割や責任を考え、
その志を発信、共有していくことに力を入れていただければと思います。
 
 
昔から言われている「地域密着」という言葉が、
今、改めて大切になっている時代だと考えられます。