DIARY

【募集は相手が気持ちよく動けるように、AIDMAを活用する!】

<本文のポイント>
・今できる募集マーケティングは「専用ページ」の設置
・「便益の発信」がいま最も求められているコンテンツ
・「相手が気持ちよく次の行動に移る」状況を自ら創る

<本文>
園児募集や採用活動で成果を出していく上での、

DM=デジタルマーケティングの必要性については、
これまでメルマガでも触れてきた通りです。

次の園児募集でも夏から秋にかけて
説明会を実施する園が多いと思いますが、
入園の低年齢化が進んでいるため、
満3歳児や3号認定での入園は、
説明会の前に決まるケースが増えています。

いわゆる「通年入園制」です。

幼稚園がこの制度を導入する場合、
子育て世帯にとってより身近な存在となること、
そして、「自園は認知されていない」という
前提に立って情報発信することが大切です。

先月末に開催したデジタルマーケティングセミナーで
林が解説したAIDMA(アイドマ)の法則が分かり易いので、
こちらを参照に今からできるマーケティングで
次年度の募集を少しでも活性化していただければと思います。

まず、園児募集活動のAIDMAを次のように翻訳します。

Attention(A)=ネット広告をやる!
Interest(I)=便益を発信する!
Desire(D)=未来型のメッセージを発信する!
Memory/Motive(M)=SNSをやる!
Action(A)=申込をしやすくする!

=の右側にあるAIDMAの日本語訳を適切に運用すれば、
募集においても、採用においてもきちんと人は集まります。

インターネット広告のやり方がわからない!
という方は、6月30日DMセミナーの第2講座で

野中彩乃が今からできる広告運用のイロハを
きめ細やかに詳述していますので、
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意外とおろそかにされているのが、

「便益の発信」です。

皆さんのホームページには、
預かり保育の時間当たり単価や定期利用の金額など、
詳細は記載されているでしょうか?

先日、幼稚園のホームページを10件ほどランダムに閲覧し、
預かりについて調べてみたところ、
私が求めている情報記載があるサイトは1件しかありませんでした
しかもその1件も、預かりの時間と単価の記載にとどまり、
長期休みの価格や昼食の有無などについての記載はありません。
これでは弟妹や関係者を除いた
新規の園児獲得は難しいと言わざるを得ません。

今回検索したのは次のキーワードに

エリア名を組み合わせるという単純なものです。

「幼稚園+預かり」
「認定こども園+預かり」
「こども園+預かり」

多くの場合、保護者の検索パターンもこんな感じですから、
単純なキーワード検索で上位表示されて、
かつ、保護者が欲しい情報が掲載されていないと
自園を知らない相手の「選択肢から外れる」ということになります。

「教育の独自性」が大事であることは言うに及ばずですが、
「便益」が十分に認知されないと、独自性が活きてこないのが
女性就業率80%に達する社会の教育保育機関の選択事情です。

便益とは、
先述した預かり保育の場合でも、
預かりの有無、預かり時間、時間当たり単価、月単位の金額、
長期休業時の預かり体制や価格など多岐に渡ります。

休日の行事は年にどのくらいあるのか?
その場合振休はあるのか?
振休日の預かりの有無は?

給食の有無?それは自園調理、それとも外部搬入?
費用はいくらで、給食と弁当は選択できるのか?

など、
とにかく「幼稚園に通わせたいが、そもそも通わせることができるのか?」
という人が通園の可否を判断する上で、

必要な情報が網羅されている必要があるのです。

繰り返しになりますが、約80%の女性は働いています。

先ずはこの層を取りこむことができなければ、
園児募集の目標をクリアすることは難しくなります。
「便益の発信」については、
相手(特に新規)にとって
最低限自園が選択肢として残るうえで必要な情報ですので、
ホームページに「入園検討者向けの専用ページ」を設置するか、
ランディングページ(ペライチ型の専用ページ)を新設して、
クリック課金型広告運用でページの認知度を高めていきましょう。
 
そしてもうひとつ…
これもありそうで意外と少ないのが「申込フォーム」の設置です。
問い合わせフォームのあるサイトは増えましたが、
満3歳児入園の見学や説明会と紐づいていたり、
0-1歳向けの子育てひろば専用の申込フォームを設置している
サイトはやはり少ないです。
バスキャッチなどのアプリで管理している園もあると思いますが、
それではやはり「新規」の方との出会いが抑制されてしまいます。
 
 
次のグラフはGCLIPが調査した全国12のエリアの
0-5歳人口の幼保施設の利用率の平均です。
3歳未満児の利用率はそれぞれ
2歳児70%、1歳児50%、0歳児30%となっており、
3歳児入園を中心に園児募集を組み立てると
定員充足することはおおよそ不可能に近い状況にあります。
 
 
「新規」の方に園を知ってもらうためには、
やはり0歳(非就園率70%=7割は行き先が決まっていない)から
園とかかわる状況をつくりだす必要があります。
 
すると、0歳児~かかわれる親子広場などの広報には
とりわけ力を入れていく必要がある事はご理解いただけるかと思います。
これもある種の「便益」となるのですが、
0-1歳親子広場などは、「未就園児」というくくりではなく、
「子育て支援」という新たなパーセプション(認識)で考え、
募集とは切り離して自園の教育環境やコンテンツを提供し
お母さんに「子育ての楽しさや、親であることの喜び」を
実感してもらうよう努めるようにしてください。
ここで「募集色」がでると人は集まらなくなります。
今風に言えば、子育てコンシェルジュみたいなイメージです。
 
0-1歳の親子広場については、
また機会を改めてその構造と集まる仕組みについて詳説したいと思います。
 
 
園児募集においても、採用においても、
とにかく、居心地の良い空間に人は集います。
マーケティングとは、
「相手に気持ちよく次の行動に移ってもらうこと」
と、GCLIPでは定義しています。
そして、マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすること、と
現代経営学の祖、ピーター・ドラッガーは言います。

「便益の発信」を強化して認知してもらい、

「教育の独自性」で他との差別化を図りましょう。
 
 
これが、幼稚園のマーケティングの鉄則です。