この秋に実施した保育実習で、
学生からこのような声が挙がっています。
「こんなに実習が嫌なのに
保育系に就職していいのかな…って悩んでいます」
「保育実習は全然うまくいかなくて、
向いてないなって思いました」
「実習を終えてきたのですが、上手くいかないことだらけで
保育士になれるか不安になってきました…」
(出典:オープンチャット「保育学生の相談室」より)
幼い頃から憧れていた夢を叶えるために
養成校へ入学する学生が多くいるにも関わらず、
保育実習を経験して、幼稚園教諭・保育士への夢を
諦めようとする声が挙がっています。
実際に、養成校に入学しながらも
一般企業に就職する学生は約2割にも及びます。
(出典:株式会社ネクストビート「就職活動に関するアンケート調査」より)
一般企業への就職を検討する理由に挙げられたのは下記です。
・ 一般就職の方が、給与や福利厚生等の労働条件が良いから
・ 保育士は仕事が大変そうだから
・ 保護者との関係が大変そうだから
・ 人間関係が大変そうだから
・ 一般企業の方がキャリアプランが描きやすく、長く働くことができそうだから
この調査データによると、
一般職への就職を目指すことを決めた時期は、
4年制大学の学生は、50.7%が3年生に決定、
短期大学の学生は、48.2%が2年生に決定しています。
9~10月は、4年制大学の3年生、
また短期大学の2年生が実習をしている傾向にあるため、
この時期は、幼保業界で働くことの意志を固める時期といえます。
また、専門学校の分野別学生数の推移データによると、
幼保業界を目指す学生者数は減少傾向にあります。
(出典:東京都学校基本調査)
一般企業に就職する学生が一定数存在する上に、
幼保業界で働くことに関心を持つ
学生者数そのものが減少しています。
そのため、採用活動の対象者を
この大学生・専門学生だけにしていては、
ターゲットは狭まっていくだけです。
自園の採用活動を優位に進めていくためには、
中学生・高校生との接点を築くことがポイントとなります。
前回のメルマガで設楽が解説した「パーパス経営」は
採用活動でも重要な視点です。
パーパスと、それを実現するための
Mission:使命、Vision:未来像、バリュー:価値観や行動指針
に共感した人材と出会うためには、
接点を持つ学生の母数を増やすことが鍵になります。
中学生・高校生からの長期的な関係性構築をすることで、
自園を深く知ってもらいやすくなります。
さらに、進路選択の段階にある彼らに
幼保業界への関心を高める働きかけができるため
出会える学生の母数を増やすことにも繋がります。
多くの学生との出会いが、自園のパーパスに
共感する人材と出会う可能性を高めるのです。
中学生や高校生と接点を築く方法に、
職場体験とアルバイトの受け入れがあります。
中学生と接点を持つためには
近隣にある中学校との関係作りが必要です。
一方高校生については、学校との関わりだけでなく
インターネット上で広報する方法があります。
「TesTee Lab」の調査によると、
高校生の81.4%が、
求人アプリやサイトでアルバイトを検索します。
求人サイトや自園のホームページに
高校生のアルバイト求人を掲載し、
問い合わせを促しましょう。
幼保業界への就職希望者数が減少していく中で
採用活動を優位に進めていくためには、
長期的な仕掛けが必要になります。
中学生・高校生との関わりを持ち
採用活動の“種まき”をしていきましょう。