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相手が感じる「抵抗を解消」しよう!
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<本文のポイント>
・少子化の進行と共にどんどん下がる保育所の利用ハードル
・就学前の中心マーケットとなる保育
・「抵抗の解消」が鍵となる幼稚園のマーケティング
・OPEN CAMPUSで満3歳マーケットを抑えよう!
<本文>
冒頭からこんな話で大変恐縮ですが、
幼稚園の園児募集は今大変厳しい状況にあります。
特に3年保育での園児募集は、
エリアを問わず難易度が増しています。
入園の低年齢化と少子化、
そして選択の多様化が進んだことが原因ですが、
特に保育所の利用は10年前とは比べ物にならないほど、
”ハードル”と呼べるものはなくなってきています。
認可外施設の企業主導型保育所では
保護者の実質負担を0円にして
園児獲得に乗り出す園が散見されるようになりました。
企業主導型保育所の利用者負担額は、これまで内閣府が、
0-2歳の基準額を37000円と定めていましたが、
利用者を増やすためにこれを0円にする園が出てきました。
実質負担無料(0円)として受入児数を増やし、
収入の減少に歯止めをかけるという考え方です。
他方、東京や大阪で今後はじまる第2子(3歳未満)の
特定教育・保育料無償化の全国への波及が予想されますが、
第1子の0歳から金額負担が無償というのは、
現時点では大変インパクトのある施策です。
また、こども誰でも通園制度(仮称)が
本格始動する令和6年以降の”未就園児マーケット”では
確実に大きな変化がおこると考えています。
これも園児募集にとってはマイナスに影響する可能性が高いです。
国は今年6月13日に発表した「こども未来戦略方針」
サブタイトル
“ 次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」 の策定に向けて” の中で、
こども誰でも通園制度(仮) の創設理由を次のように説明しています。
全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充~「 こども誰でも通園制度(仮称)」の創設~
0~2歳児の約6割を占める未就園児を含め、
子育て家庭の多くが「孤立した育児」 の中で不安や悩みを抱えており、
支援の強化を求める意見がある。
全てのこどもの育ちを応援し、 こどもの良質な成育環境を整備するとともに、
全ての子育て家庭に対して、
多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化す るため、
現行の幼児教育・保育給付に加え、 月一定時間までの利用可能枠の中で、
就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付
(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設する。
要するに、0-2の無園子育て世帯の多くは
孤立した育児の中で不安や悩みがあるから、
就労要件に関わらず新たな通園”給付”を始めますよ!
ということです。
ポイントは、”事業”ではなく“給付”という所です。
給付は、社会保障制度に要する費用を指すので、
いよいよ子育ては社会全体でしていくというスローガン実現の
最終章に入ったと理解すべきかと思います。
また、先の9月21日に行われた
「こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた
試行的事業実施の在り方に関する検討会(第1回)」の
資料Ⅱ※下記リンク↓↓↓内でも説明されていますが、
ひとつ目は、 給付にすることによって利用の幅に制限を設けないこと、
ふたつ目が、行政側が利用の状況を把握することで「要支援」 の度合いを
適切に把握することが一時預かりとの違いとして挙げられています 。
利用する側には不可解な点も多いのですが、
子ども未来戦略方針の基本理念にある
「すべてのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する」
ことと、
「社会全体の構造・意識を変える」
という理念の実現に向けた施策であることが窺えます。
いずれにせよ、こども誰でも通園制度(仮称)は
来年度本事業としての実現に向けて進んでいますので、
0-2歳の未就園児マーケットの6割は、
この制度によって活性化されることになりそうです。
先週のメルマガで紹介した新しい保育イニシアチブ(第2回)、
通称「あたほい」は、まだ若干2回目の開催ではありますが、
25~39歳女性の有業率が80%を超え、 就学前の子を持つ家庭の選択が
「教育」から「保育」に移行したことを世に訴えるには
十分すぎるほど秀でた会であったことは事実ですし、
トレンドの観点からもマーケティングの観点からも学びの多い会で した。
GCLIPは原則として科学的根拠に基づいて
園経営を支援できるようあらゆる情報にアクセスし、
数値とデータを分析したうえで、
モデルとなる現場に足を運んで提案の根拠としていますが、
幼稚園は今まさに保育所の持つ機能を「包み込み」
教育価値の丁寧な説明を強化すべき時期にあります。
このメルマガでも度々お伝えしていますが、
幼稚園が狙える2歳児のマーケットは20%~30%、
1歳児マーケットは30~40%程度しかありません。
0歳児マーケットが唯一70%程度残っています。
そして先ほど触れた通り、
就学前の選択のトレンドが保育に移行したことを加味すると、
幼稚園が整備すべき機能は、
共働き家庭が選択しやすい状況となる機能に他なりません。
「預かり保育」や「週5回の給食」に加え、
自園の教育を届けるために必要な機能(=地域の保育園、 認こ園がもつ機能)を整え
機能的な包み込みをしたうえで教育力を訴求していく必要がありま す。
また価格に関しても無償化との乖離が大きすぎると、
それが新たな選択の「抵抗」 となる可能性が年々高まってきています。
弊社取締役副社長の林は「抵抗の解消」こそが
今、園児募集・採用マーケティングの要だと指摘しています。
どんなに魅力的で素晴らしい園でも、 商圏内の類似施設が提供している、
教育内容、価格、品質、サービスによって、マーケットの”基準” ができるため、
基準から大きくズレれば人が集まらなくなるのが今年の募集の特徴 です。
バイリンガルや有名私立小学校の受験に強いなど明確な差別化要因 が無ければ
このズレが「抵抗」を生み、 選択肢からこぼれ落ちる可能性が高くなります。
そのため、園児募集や職員採用においては「抵抗の解消(= ズレの修正)」が、
今後幼稚園のマーケティングにおいては極めて重要な要素になりま す。
社会の成熟化に比例してサービスが多様化・多機能化することで
抵抗が発生しやすい環境となっているのがまさに“今” ということです。
2019年に3歳以降の幼児教育・保育は無償化されました。
認定こども園の増加に加え、少子化の加速も相まって
幼稚園では保育機能、保育園では教育機能をそれぞれ強化し、
著しく変化(増加)する地域の教育・ 保育ニーズに応える園が増えた結果、
違いが見えにくくなっているのが今の”幼保認こ園”市場です。
違いが見えないと、分かりやすい”価格”や”預かり時間”、” 日数”などが
判断基準となるため、より低価格でサービス内容が充実している園 が
選択肢として残り易くなります。
これは幼稚園由来の認定こども園では今年から顕著に表れ始めまし た。
2号認定で入れる園に行くという理由で、
新2号(1号)認定での入園に難色を示す人が増えたのです。
預かり保育の1日当たりの補助金が450円と決まっている新2号 認定は
長期休暇の預かりではどうしても持ち出し負担が増えてしまうため 、
この金額の差に対する「抵抗」を感じるようになったのです。
どんなマーケットでも
経験値が上がり、判断基準ができるとこういうことが起こります。
この抵抗を解消するためには、2号枠を増やす、もしくは、
新2号認定児に対する自園オリジナルの割引制度を導入するなど、
何らかのインセンティブを相手に与えることが必要です。
教育内容で違いを出せればこの抵抗は解消するかというと、
残念ながら「難しい」…と考えるのが妥当です。
先に触れた通り、圧倒的差別化要素を持っている、
教育内容で違いが出せている園には、解消すべき「抵抗」 を抱く人は集まらず、
はじめから好意的な人たちが定員以上集まっているのです。
圧倒的差別化要素を持った幼稚園はもちろん存在していますが、
そう多くはありません。 多くの園は地域の自園以外の園と比較されるので、
「包み込み」は、抵抗の解消という点で実に理に適った手段になる のです。
周辺マーケットの情報収集をして是非競合の長所を包み込んでくだ さい。
そのうえで、教育内容伝達の強化( 具体策はまたの機会に詳述します)を
丁寧にHPや紙のツール、説明会、オープンキャンパスで説明し
教育の対価(実支出から無償化分を差し引いた額) が納得のいくものに
昇華することで「抵抗は解消」されます。
トレンドの話が長くなってしまったので、
最後に一つ即効性のある園児募集の技術を紹介します。
満3歳児入園の見学説明会を企画した集客はエリアを問わず集まり ます。
満3歳児で入園できることを知らないことに加えて、
無償化の対象であることも知らない人が多いため、
その前提に立って、 どのような制度なのかを説明するための教育体験会を
オープンキャンパスとして企画します。
このオープンキャンパス用のSNS(インスタグラム)広告と
ランディングページの運用で商圏内の認知度が高まり、
入園に対する「抵抗の解消」につながるため人が集まります。
ランディングページと広告運用の具体的ノウハウを実践で学ぶ
2時間の集中セミナーをオンラインにて開催していますので、
今年の園児募集に間に合わせたい方は是非参加をご検討ください!
「抵抗の解消」は林を中心にGCLIPとして
引き続き重要テーマと捉え追っていきますので、
「このエリアではこんな抵抗があったけど、これは抵抗なのか?! 」
などの情報をお寄せいただければ幸いです。
まとめて調べてその結果をメルマガで発信していきたいと思います !