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進む保育所等の多機能化と年齢幅の拡大
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今回のメルマガは以下を中心に記載しています。
・こども誰でも通園制度の議論と今後の方向性について
・小規模保育事業の3歳児から5歳児の受け入れについて
・認定こども園化が進んだ地域の募集状況について
11月2日に全ての子育て家庭を対象とした支援の強化として、
就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる
「こども誰でも通園制度」(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業について、
2023 年度中の開始も可能となるよう支援を行う、
という内容が閣議決定されました。
また11月8日に第三回のこども誰でも通園制度の検討会議が行われました。
少しずつその内容が分かってきましたが、
要点をまとめてお伝えしておきたいと思います。
・こども誰でも通園制度の事業者について
現時点ではこども誰でも通園制度を行う場合、
市町村による指定(認可・確認)を行う方向性で調整されています。
各市区町村による認可等が行われることになりますが、
市町村による利用調整を行う形ではなく、
利用者と事業者との直接契約で行う予定になっています。
・利用者は認定を受ける
こども誰でも通園制度の利用者は、
就労要件を問わない0歳児から2歳児のこどもが対象になります。
現時点では、利用する場合は認定を取得することが要件となる予定です。
これは、市町村において利用対象者を認定する仕組みとすることで、
利用対象者の中でも、認定の申請をする人としない人や、
認定を受けた上で、どの程度利用しているかを市町村は把握することができるため、
各ご家庭の状況等に応じて、より手厚い子育て支援ができると考えられているためです。
これによって1号認定、2号認定、3号認定のほかに
もう一つ認定ができる可能性があるということになると思います。
・担当する保育士について
こども誰でも通園制度は定期的に預かることを前提としていたとしても、
日によって登園するこどもが異なることから、
通常の預かりとは異なる専門性があると考えられています。
そのため、担当する保育士については別途研修を行う必要があるのではないか
という議論がされています。
・親子登園について
こども誰でも通園制度は母子分離を前提としていますが、
0歳児から2歳児のこどもに対して、すぐに母子分離を行うことは
こどもの健康状態等踏まえ、懸念があるということで、
親子登園についても各園の判断で認められるということを
盛り込むことが出来ないか議論されています。
・先行モデルから
すでにモデル事業を行っている行政からは、
ニーズが非常に高いということが発信されており、
空き施設の活用という視点だけではなく、
整備をしていくという視点も必要だという指摘がされています。
・すべての自治体で実施予定
一時預かり事業は自治体によって実施するかどうか検討されていますが、
こども誰でも通園制度はすべての自治体で実施される予定です。
様々な内容が議論されていますが、
閣議決定された内容を踏まえると2023年度中の開始も十分可能性がある
ということになりますので、ぜひ今後も情報を掴んでいただければと思います。
また、こども誰でも通園制度は、
「保育所等の多機能化」の代表的な取り組みとして、
こども家庭庁から発表されています。
保育所等の多機能化ということを例に取ると、
児童発達支援センターや放課後等デイサービスの併設や、
こども食堂の実施などが始まっていますが、
今回新たに多機能化という視点において、
「小規模保育事業の年齢幅の拡大」というものが議論されています。
10月31日に第一回目の「子ども・子育て支援等に関する企画委員会」
というものが開始されました。
この委員会の中で、
「集団生活を過ごすことが苦手なこどものニーズなど、
こどもの保育の選択肢を広げる観点で意義があることから、
地域の実情を勘案して必要であるときは、
3~5歳児のみの小規模保育事業の実施を可能とすることとする。」
という内容について改正を行っていくかどうか議論がされています。
幼保の業界は今まで様々な制約がありましたが、
近年ではそういった制約を取り除き、
各施設が柔軟に変化していけるような方向性になってきています。
こういった変化は知っているか知っていないかによって、
大きな差が生まれてしまいます。
どういった選択をしていくのかは各園に委ねられていますが、
少子化から少子の時代となり、さらに共働きが普通になり、
今度は0歳児から2歳児で幼保の施設に預けることが普通になる
ということが目の前まで来ています。
変化する時代の中で、地域に必要とされる、地域に根付いた園へ
時代とともに柔軟に変化していくことが求められています。
先日、ある地域の幼稚園や認定こども園、保育所の入園状況を
一覧で確認する機会がありました。
すでにこの地域は幼稚園の認定こども園への移行が進み、
ほとんどの園が認定こども園になっています。
入園状況は社会福祉法人の認可保育所は空きが多くあり、
学校法人立の認定こども園のほうが圧倒的に空きがない状態でした。
幼稚園は機能をしっかりと持つことで、
各園の最大の強みである幼児教育が圧倒的な差別化要因になる
ということを実感した出来事でした。
機能は変化していく可能性はありますが、
やはり幼児教育という圧倒的な価値を磨き続けることが
ベースになることは間違いありません。
時流を見極め、機能を充実させ、
幼児教育という魅力を磨き続けていただければと思います。