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保育学生の動向と
実習生を採用に結びつけるポイント
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本メルマガでは以下の内容をお伝えします。
・実習生採用の難易度が高まっています
・実習生との関係構築ポイント3選
・80%以上の学生が、8月までに就職活動をスタート
・園全体で年間を通じた採用に取り組みましょう
<本文>
前回のメルマガで解説されていたように、
経過措置が設けられていますが、
2024年度から人員配置の見直しがスタートしていきます。
改めて今回の人員配置の見直しのポイントとしては、
チーム保育加配加算を取得している場合は
実質すでに4,5歳児25対1という人員配置を達成できているため、
追加での加算はないということです。
余計に採用を進めてしまうことで人員過剰となり、
園の経営を圧迫する可能性があるということも念頭に置き、
自園の加算取得状況を確認し、
採用が必要かどうかを冷静に判断していきましょう。
人員配置の見直しに伴い、採用に関するご質問を多くいただきます。
1月から3月は中途採用がメインの時期となりますが、
同時に2024年度の採用に向けての準備期間でもあります。
近年の採用活動の傾向として、
実習からの採用が難しくなっているということが挙げられます。
実際に、近年 実習園に就職した学生は、下記のように減少傾向にあります。
R2年度10%
R3年度12%
R4年度6%
R5年度5%
(出典:21卒~24卒マイナビ保育学生調査)
私たちのデータでは、この傾向は
特に新型コロナウイルスへの懸念が始まったころから強くなっています。
合同就職説明会の開催が出来なくなったほか、
園見学なども難しくなり、採用活動自体が
オンラインで行わざるを得なくなりました。
その結果、コロナ禍で就職した新卒の多くが
就職前と就職後のギャップを感じ、早期退職をするケースが増えました。
上記のような傾向が出始めてから養成校側が、
「じっくりと時間をかけて就職活動すべき」という指導が増え、
実習だけで採用を決めるということは少なくなっていきました。
さらに、現在の幼保業界は令和4年の段階で、
全国の保育士有効求人倍率2.49倍でなっており、
学生が就職先を“選べる”状態にあること等が挙げられます。
実習生の採用は以前よりもハードルが高くなっていますが、
就職後のミスマッチが起きづらいという大きなメリットがあります。
学生は数週間にわたって実習を行うため
園に対する理解を深められることができ、
教職員も学生のことを知ることができるため、
双方にとってミスマッチが起きづらいのです。
実習生を獲得することは、採用の安定化に繋がると同時に、
早期離職を防ぐことにも繋がっていきます。
実習生を採用に繋げるには、
教職員による関わり方が最重要です。
今回は、採用目標の約半数を
実習から獲得している園が実施している
受け入れのポイントをご紹介いたしますので、
教職員にもぜひ共有してみてください。
① “楽しませる”良好なコミュニケーション
株式会社ネクストビートの調査によると、
保育学生でありながら、一般企業に就職する学生は2割存在します。
幼保業界で働いてもらうためには、実習で充実感を得ることが重要です。
教職員の間で、「実習生には実習を楽しんでもらうこと」を
重要事項として共通理解し、教職員一人ひとりが
実習生に対する積極的な挨拶や声掛けをすることが有効です。
② 実習生とLINEで繋がりフランクに応じる
実習生とは、事前オリエンテーションで
園のLINE公式アカウントで繋がることをお勧めします。
LINEは、実習生が抱いた疑問や不安を気軽に話せる場となり
安心して実習に挑むことができます。
開園時間外であっても、LINEを送ることができるため
問い合わせのハードルがグッと下がります。
LINEを関係構築ツールとして活用していきましょう。
③ 実習生に告白し、継続的な関係構築を図る
採用したい学生には「あなたはウチに合っている!」と本音で告げ、
インターンやアルバイトに誘うことで、継続的に関係を築くことができます。
実習を終えて暫く接点がなくなることで、
実習中に好感触であっても、自園に対する熱量が下がってしまいます。
実習後にも継続的に関係を築ける状態を作りましょう。
この3つのポイントを、教職員が実践していくことで
実習から採用に繋がる風土が築かれていきます。
ちなみに2024年に入り、新卒採用がほぼ終了したことで、
マイナビでも2023年度卒の新卒学生の動向調査が発表されています。
下図のマイナビ保育学生調査データから、
80%以上の学生が、8月までに初回の園見学を終えており
就職活動をスタートさせていることがわかります。
前述のように、近年の学生は養成校の指導もあり、
複数園を見学し、就職を決定していくという傾向があるため、
必ずしも初めての園見学で就職を決めるということではありませんが、
少なくとも、今までピークだと考えられていた秋までの間に、
園との接点を持とうと動く学生が多いことは確かだと言えそうです。
そのため、これは昨年からの傾向ではありますが、
年間を通した採用が必要です。
採用は園全体で取り組むべきものであり、
年間を通して意識する必要があります。
新年度に向けて、教職員間で経営計画を発表する場を
設けている園も多いと思いますので、
ぜひそういった機会に園全体の理解を
深めていただければと思います。