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「教育」を軸にした結びつきの強固なマーケティングを!
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<本文のポイント>
・ズバリ系のソリューションが効かない時代
・事例) お金との付き合い方を教える育成方法
・幼稚園の強みである「教育」を活かしたマーケティングを!
<本文>
GCLIPメルマガは大変ありがたいことに、
「(メルマガを)毎週楽しみにしています!」
と、声援を送ってくださる方が多くいらっしゃいます。
第1号の発行が2015年8月27日(木)ですから、
このメルマガもぼちぼち10年続いたことになります。
メルマガの発行当初は林と設楽が毎週交代で原稿作成に勤しんでい ましたが、
今では執筆メンバーに野中も加入し、 冒頭で紹介したような声に支えられつつ、
切磋琢磨しながら毎週欠かさず配信しています。
先日、熱心な読者さんからこんな連絡をいただきました。
「最近のメルマガですが、内容はとても理解できるのですが、
結局、 園側はどこに向かえばいいのかが見えなくなってきちゃって…」
という、率直な意見(感想)でした。
業界を俯瞰してみると、
➀少子化による園児数減 ②働き手不足による採用難
この2点を中心に共通課題はあるものの、
制度ごと、エリアごとなどより細分化した課題があり、
それぞれの解決へのアプローチも異なるため、
「これさえやっておけばOKです!」と核心を突いた
テクニカルなソリューションが存在しないのが
いまの就学前教育・保育業界です。
GCLIPとしても極力再現性が高く、万能な情報を
お届けすることができずもどかしいところです。
そんな状況を打破すべく原点に帰り、幼稚園の強みに目を向け、
読者の皆さんと一緒に考察できる内容にしたいと思います。
少しだけ1月30日に配信した内容に触れます。
さて、内容をざっくり説明すると、
3歳の息子の行動(笑い話)を幼稚園の先生に話したところ、
ワタシが笑い話として捉えていたその行動は、実は姉への愛情で、
その行動は称賛に値するものだということを解説してくれ、
プロの幼児教育者の視点で一人の親の子どもを見る視点が拡幅し、
豊かになった!という話です。
このように関わる人たちを進むべき方向へ導く(教育する) ということが、
教育施設である幼稚園の役割であり、強みであることに疑う余地は ありません。
先のエピソードはいわゆる「教育」 とは少し違うのかもしれませんが、
分からないことが分かるようになるプロセスの中にある
“新たな気づき”という刺激が学びを楽しいものにするのだと思い ます。
先週のメルマガでは主に、
「そんなことがあったんだ!」
「幼稚園ってこんなこともしてくれるんだ!」
「保育所と幼稚園のちがいってこうなんだ!」
など、
相手が知らないであろう情報を丁寧に整理して届け、
「園児募集<情報提供」にすることで、
結果的に自園に興味をもって入園へ導くことになる、 という話でしたが、
これも、新たな気づきという刺激の提供から始まる
相手の気持ちへ寄りそうマーケティングのアプローチです。
制度が複雑化し、インターネット上で無数に広がる
情報を整理して分かり易く届ける!
この価値をマーケティングに落とし込むことで、
募集や採用で力を発揮するのが今の時代です。
このように、いち家庭の子育てにおいても、
多数を相手にする園児募集や採用においても、
相手に新たな気づきを促す教育的なアプローチができることが、
教育機関である幼稚園の強みだという事が分かります。
GCLIPでは、学生や若者に対して、
自立した豊かな人生を歩むための知識と技術として、
「お金との付き合い方」を教えるよう心がけています。
インターン生は時給の幅が最低賃金ラインから始まり、
求められる役割(業務貢献ライン)の知識と技術の向上度に応じて
最大2500円まで上がるように設定しています。
時給1250円の場合、1万円稼ぐのに8時間かかりますが、
2500円になれば、半分の4時間で稼ぐことができます。
時給1250円で1日8時間× 20日働けば月20万円稼げますし、
時給条件が倍の2500円ならば40万円稼げます。
( 本分が学生なので日中業務のGCLIPでは現実的ではありません が…)
このように時給単価に幅を持たせることで、
1万円を「稼ぐ」ことの重みを感じてもらうことには
とても大きな意味があります。
学生時代に奨学金を活用している(いた)場合、
償還期間と月々の償還額が設定されますが、 1万円の重みを鑑みて、
生活の無駄を省き、償還期間を極限まで短く設定しなおして
全額返済するように伝えています。
例えば月5万円で4年間借り入れた場合、
元金240万+利息を償還しなければなりません。
実際にシミュレーションすると、
180ヶ月で247万円くらいの返済になります。
180ヶ月ですから、実に15年の歳月です。
23歳で社会に出てたとしても、
返済が終わるのは38歳になる計算です。
もはや終身雇用が前提の社会ではありませんし、
仮に終身雇用が前提の社会だとしても、
38歳まで滞りなく返済できる保証などどこにもありません。
年収350万だと仮定して、手取りが300万円。
このうち1/3を償還原資にすることで、
200万円の生活を工夫しながら楽しめるのも、
”若手”と呼ばれている内だけです。
多くの場合、定期昇給があるでしょうから、
1年目を凌げば翌年以降は少しずつ楽になります。
2年目を終えると、償還残額は47万円です。
すると、3年目の生活には随分ゆとりができます。
生活のゆとりを自らの力で創り出すことを「自立」と呼び、
このように、計画的にお金と付き合っていく事で、
豊かな人生をつくりあげていく事を教えるようにしています。
自立するために稼ぐことは大事ですが、
稼いだ先の生き方(人生の価値観)を共有すること、
どう稼ぎ、どう使うか?というお金との距離感など、
後人にこれらを伝えることも大切な使命です。
「まとまった生活資金として、なんにでも自由に使えるから、
これを自分で支払ったつもりで、5年間毎月貯金してみなさい。」
宿舎借上げ制度(最大8.2万円)が始まった当初、
ある先生が対象職員にこんな話をしていて感銘を受けました。
いわゆる「つもり貯金」です。
お金との上手な付き合い方を教えることは、
若者の経済的不安を取り除き、
自立の道筋を教えることと同じ意味をもちます。
さて、何ら具体的なソリューションにはなっていませんが、
経営者である理事長先生、あるいは現場の責任者として
組織を導く園長先生はどんな経営的、または教育的価値観をお持ち でしょうか?
ハラスメント全盛の時代ですから、 触らぬ神に祟りなしではありますが、
教育的な関わりでつくられる人間関係ほど強固なものもありません 。
是非、自園の教育的価値をマーケティングに落とし込んで、
相手との関係構築を強化してほしいと思います。
ミスマッチの少ない、結びつきの強い出会いが生まれるはずです。