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【101歳の販売員が世界最高齢のギネス世界記録更新】

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101歳の販売員が世界最高齢のギネス世界記録更新
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・ポーラ化粧品販売で活躍する101歳の販売員がギネス記録
・ポーラは80歳以上の販売員の割合が約9%存在している
・高齢者等活躍促進加算の活用など、シニア人材の活躍は人材不足の時代に重要

先日、ポーラ化粧品に101歳の販売員がおり、
見事にギネス世界記録を更新し、
「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」となった
という新聞記事を見ました。

今、日本は少子高齢化が進んでいます。

厚生労働省から2023年の合計特殊出生率が発表されましたが、
その数字は1.20ということで、過去最低を記録しました。

東京都に至っては0.99と47都道府県で最下位となっています。

ちなみにこの出生率、
実はこども子育て支援新制度が開始されて以降、下がる傾向になっています。

少子化は多くの業態で人材不足に繋がっています。

2013年にオックスフォード大学のオズボーン博士が
10年後になくなると予想した仕事が話題になりました。

実際に10年経った今、その仕事はどうなっているのでしょうか?

例えば、その中の一つにタクシーの運転手の仕事があります。

今、タクシー業界は人手不足が深刻で、
タクシーの台数が確保できないため、
国が問題視した結果、ライドシェアというものまで誕生しています。

タクシーだけではなく、バスも同様に、人手不足の影響によって、
路線バスの本数を少なくせざるを得ないという問題も生じています。

また、例えばレジ打ちの仕事についても、
10年後にはなくなるのではないかと言われていました。

確かにレジ打ちの仕事はセルフレジなどの登場によって、
かなり人数は減っているように思います。

しかし、逆にセルフレジのほかに、「ゆっくりレジ」というレジを導入し、
業績を伸ばしている福井県のハーツというスーパーがあります。

これは私も思うことですが、
例えば週末に3日から1週間分の買い物をすると、
かなりの量の買い物をすることになります。

この量をセルフレジで対応しようとすると、
袋詰めをしながら、セルフレジを行うことになり、
結構手間になると感じたことがあります。

また、セルフレジは時間をかけてしまうと、
並んでいる人からのプレッシャーを少なからず感じます。

そういった意味でも、
「ゆっくりレジ」のニーズは高いだろうと思いますし、
高齢化によって、高齢者の方の利用も多いため、
セルフレジは向いていないということもあると思います。

一方で事務処理や、経理における各種計算などは、
機械の方が正確で早い傾向にあるため、
かなり導入が進んでいるように思います。

いずれにしても10年経った今でも、
機械が人の助けになっている部分はありますが、
その人の仕事を奪うまでには至っていないものが多いのではないかと思います。

さらに、機械に代わる可能性があったとしても、
人の温かみを感じたいものもたくさん存在するため、
なかなか仕事としてなくなる、というまでにはいかないものがあると感じます。

機械が発達することによって、
人手不足の解消に期待を持つことはできますが、
今の人手不足をすぐに解決するということには、
まだまだたどり着きません。

少子高齢化で、若い世代の働き手が少なくなる今、
やはり働き手として期待されるのはシニア人材です。

冒頭の101歳で活躍する販売員さんは、
4月末の時点で累計売上が1億2670万円になった
ということが記事に書かれていました。

元気の源は「たくさんの人とコミュニケーションを取ること」
だそうです。
また、毎朝化粧をし、誰と話をしても良い状態を作っているそうです。

健康寿命という話がありますが、
シニアの方が仕事を通して活躍できる環境を作ることは、
シニアの方が元気に生活ができることにも繋がる可能性があります。

ニトリホールディングスでは、7月から
60歳定年、65歳までの再雇用という規定を
60歳定年、70歳までの再雇用という規定に変更する予定です。

豊富な経験と知見を持つシニアの方に活躍してもらう
ということが目的のようです。

さて、幼保の業界ではどうでしょうか。

今、人手不足が深刻化しています。

養成校についても学生の減少から、
学部・学科がなくなってしまうというケースも聞くようになりました。

このような状況の中で、
シニア人材が活躍できる環境を整えることは、
とても重要になっていきます。

先ほどのニトリホールディングスの例で言えば、
「豊富な経験と知見を持つシニアの方に活躍してもらう」
ということは幼保の業界でも当てはまる可能性はあります。

実際に認定こども園では「高齢者等活躍促進加算」
という加算メニューが用意されています。

この加算はシニア人材等を非常勤で雇用し、
保育補助や施設清掃などで活躍してもらっている場合に、
取得することができるものです。
(加算の詳しい要件については各自治体にお問い合わせください)

特に幼保の業界は先ほどの10年後になくなると予想される仕事には、
該当するものではありません。
人と人が密に接していかなければ成り立たない仕事です。

機械によって仕事の負担を減らすことはできるかもしれませんが、
現時点では、それによって人材不足が解消されるということは
なかなか想像が出来ない業界です。

人生100年時代と言われる時代です。

シニア人材の持つ経験や知識を活かしながら、
活躍できる環境をつくっていくことは、
①人材不足の解消
②少子高齢化の社会におけるシニア人材の健康促進や生きがいづくり
という視点でも重要になっていくと考えられます。

採用戦略の一つとしてぜひ一度
検討してみていただければと思います。