==================
変化を追い風に変える
地域一番園化経営セミナーを終えて…
==================
<本文のポイント>
・新制度開始後10年、新たな変化の局面にある就学前教育保育業界
・コンサルティング会社のトレンドも大きく変化した
・時代は「量」から「質」へ、しかし「質」とはいったい何なのか?
・「正解」から「納得解」へ
・変化を追い風に変える地域一番園化の3つのポイント
<本文>
21日、先週の金曜日に栃木県宇都宮市にある
学校法人金子学園理事長の山村達夫先生をお迎えして
地域一番園化セミナーを開催しました。
戦術面、今すぐできる事例と
ノウハウ提供型のセミナーが多いGCLIPとしては珍しく、
戦略系のセミナー開催となりました。
振り返ってみて改めて思うことは
私学の経営は新制度開始後10年を迎える今、
新たな変化の局面を迎えています。
昨年10周年を迎えたGCLIPもまた、
より必要とされる存在としてこれからの10年を創造していくには、
ドラスティックな変化(進化)が必要な局面にいます。
2014年に林、渡辺と共に3人で創業し、
2年後の2016年に野中が正社員として加入してくれて以降、
知力、体力、そして時間を使い、懸命に働いてきました。
我々の創業は、タイミングにも救われたと思います。
2015年の子ども子育て支援新制度が始まる時期で、
それまでに比べて情報を求めるお客さんが増え、
コンサルティング需要が高まるタイミングでした。
私たちに期待してくださるお客様も順調に増えて、
その期待に応じるべく林、野中と時を忘れるほど奔走し
求められる期待に応えるべく提案を磨き込むことで、
ガムシャラに働くモーレツ企業の素地が出来上がりました。
それまで一貫して量の緩和を目指した就学前教育保育政策ですが、
令和2年に保育需要のピークアウトを迎えると、
不適切保育をはじめとする保育の諸問題に焦点が当たるようになり、
「量から質」へとニーズの転換が求められるようになりました。
「質の向上」を目指して組織運営を進化させていく必要性は
次第に高まっているのを肌で感じますが、
「質の向上」に明確な定義やあるべき姿の答えは現状見当たりません。
就学前教育保育業界における「質の向上」同様に、
労働集約型の業務に傾倒しがちのコンサルティング業界もまた
短時間でより高い成果が見込める仕事へと
やり方と在り方を転化させる「質の向上」が求められています。
こちらもまた「これ!」といった正解があるわけではありません。
前々回のメルマガで林が指摘したように、
オズボーン博士が2013年に予測した「10年後に亡くなる仕事」は
10年が経過した今なおその多くが存続しています。
理由は様々あるでしょうが、
それほどまでに未来の予測とは不確実なものであり、
人々が生きる世の中を「これが正解」で「これが不正解」と
単純化できるものではないという理解に至りました。
さて、なにが言いたいのかといいますと、
ここで紹介したのは「過去の経験から導きだした今や未来」であり、
それがどうもうまく機能しないということを受入れて、
変化?もしくは進化?しないと未来を創ることが難しい時代、
これが、冒頭で触れた「新たな変化の局面」が意味するところです。
それを戦略的志向、つまり、描きたい未来、進む方向を決める、
という観点で参加者の皆さんと検討したのが今回のセミナーでした。
結論から言うと私学経営が未来に向かって伸びていく道は
経営者である皆さんが「心からやりたいと思える地域に必要な事業」を付加し
中心事業である園経営の活性化を図ることにあります。
ゲスト講師の山村先生は、
この「心からやりたいと思える事業」をやると決めて、
ブレずに本気で前に進む「覚悟」を持つことが、
戦略立案の要諦だと言います。
正解のない時代だからこそ、
その実現に向けてやるべきことをしっかりやりきり
自力で道を切り拓く意志が大事なんですね。
最後に本セミナーのタイトルである、
「変化を追い風に変える地域一番園化経営」のポイントを
林は以下の3点に集約していましたので、
まとめてお伝えいたします。
①「地域内での存在価値を圧倒的に高める」
自園が立地する地域社会において、
「存在のメリット(いてくれてよかった!)」であり
「不存在のデメリット(いないと困る!)」を目指す。
そのために、地域が抱えるの教育保育的課題に目を向け、
それをとにかく解決するための提案をし続けること。
存在価値を高めるために
地域企業との協業や個人経営店との提携企画を行い、
地域性の高いイベントを行っていく事で、
地域との連携を深め、唯一無二の存在を目指しましょう。
②「行政との良好な関係性を構築する」
就学前教育保育市場のマーケットサイズ(MS)は
補助金がないと経営自体がほぼ成立しない状況にあります。
MSについては4月23日のメルマガを参照してください!
そのため、できる限り行政との良好な関係性を構築し、
できる限り補助事業として運営できるように
多角化を進めていきたいところです。
では、行政と良好な関係を構築するポイントは何か?
行政交渉のエキスパートへと進化した林は、
ここにもポイントは3つあると言います。
イ)実績が既にある
→「誰通」制度における幼稚園の未就園児教室がこれにあたる
ロ)ニーズがある
→アンケート調査の結果、自園ではこれがこんなに求められてますよ!
というエビデンスをつけて説明するとより良好な関係構築が可能となる
ハ)他自治体の事例
→自自治体ではまだ実績がないが、他自治体では既にやっていますよ!
市民のために働く行政マンにとってこれは効果テキメンです
他自治体の事例を見つけて、
自園で実績を作り、ロ)→ハ)の順で提案をすることで、
地域が抱える課題解決の実現が目論まれることで
補助事業として認められる可能性は一気に高まります。
③「広報・PRによる圧倒的な認知活動」
・SNS広告を活用したプロモーションムービーの運用
→ネット上をジャックすることで「見たことがある」状態をつくる
・子育て支援拠点事業の自主事業化
→誰もが、気軽に足を運べる入口の場の準備
・多機能化・多角化展開のドミナントによる認知向上
→あそこでも見たね…この幼稚園(建物、ロゴ等)
これをやればうまくいく!という万能の正解はありませんが、
この3つのポイントを抑えて地域に必要とされている実感があれば、
それは今の時代に必要な「納得解」の提供ができている証です。
過去の延長線上で未来を探るのではなく、
素直に地域のニーズに目を向け、耳を傾け、
周辺のマーケットを開拓してください。
GCLIPもドラスティックな変化を通して
進化していこうと思いますので共に前進しましょう!
【地域一番化のための学園経営セミナー】
⇒オンデマンド後日配信_受付中!