DIARY

【自園のコアと向き合い丁寧にマーケティングする】

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自園のコアと向き合い丁寧にマーケティングする
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<本文のポイント>
・対立(OR)ではなく包括(AND)で考える
・分かりにくい価値の発信は形を変えて丁寧に繰り返す

<本文>
創業メンバーとして楽天を三木谷浩史さんと共に立上げ、
副社長を務めた本城慎之介さんが立ち上げた軽井沢風越学園は、
国によって細かく基準が設定され、独自性というものを
特に発揮しにくい義務教育+幼児教育において
「混在校」というこれまでにない「新たな価値」を提供し、
多くの支持と外部の注目が集まる学校です。

特にユニークなのは、幼小中一貫型の「混在校」として、
1年生(幼稚園年少)から12年生(中学3年生)までが
本当に一緒くたになって活動するところにあります。
それから極めて象徴的であり、納得感の高い軽井沢風越学園の特徴は
「自由」と「一斉」をORで切り離さないところにあります。
どちらかというと「個」を伸ばす、個別型の活動が主ですが、
一斉型の活動もしっかり取り入れています。

「多様性」が行きわたった成熟社会はORで切り離すより、
ANDでつないだほうが生きやすい社会です。
「和食と洋食どちらが好きか?」という閉ざされた問よりも、
「どんな時に和食を求め、どんな時に洋食を欲するか?」
と、考え方をシェア(開く)する問いの方が多くの回答が引き出せます。

軽井沢風越学園ではこの「個別」と「一斉」の対立的概念を
<自由>と<自由の相互承認>として、次のように表現しています。


出典:軽井沢風越学園HP

個人がより良く生きるために「自由」があり、
自分以外のより良く生きたいと考える他の個や集団の「自由」を尊重する

「自由の相互承認」が大切だという考え方を図式化したものです。

自ら自由を獲得する事と他の自由を承認するチカラを育むことが
軽井沢風越学園の教育が目指す“ところ”として、中心に設定されています。
この成果の実現に向けて、先ずは「わたし」からはじめ、
「わたし」と「わたしたち」でふかめ、「わたしたち」で広げる
というトライアングルが組まれていて、
自分の心地よさを追及するところからはじまるこの学校での学びというか、
「自他ともに<自由>である」という
”社会的合意”を形作る筋道の探求があります。

同校のホームページには<自由>と<自由の相互承認>について
実に多くの考察が張り巡らされていて、
上の概念図を説明した文章がありますのでご紹介します。


異なる価値観を持ち、異なるものを追求すると、必ずぶつかりあいます。
でも、他者の自由を侵害しないのであれば、まずは認めあう。
それができるためには、多様な人たちと出会って
相互承認する経験を豊かに持たなければなりません。
そして、この機会を本来は教育がつくらなければいけないのです。
かつての教育は、ある程度このことが実現できていました。
公教育が始まった時代には、子どもたちは親や村の価値観がすべてでした。
でもそんな子どもたちが学校にくると、
ある程度多様性の中に投げ込まれることができた。
生まれも育ちも違う子どもたちが集うことができたのです。
ところが現代は、学校が新しい習俗になり、非常に同質性の高い場所になっている。
もう一度、公教育を多様性がごちゃまぜの、
異なる価値観同士が相互に承認しあう経験を積む場に
転換していく必要があると思っています。

これは、教育学者・哲学者であり、風越学園共同創業者の一人である
苫野一徳さんが<自由>と<自由の相互承認>についての
ワークショップを実施した際の言葉として綴られており、
学園の目指す教育が何か?を、改めて理解することができます。

とはいえ、
教育は価値がすぐに開花するものでもありませんし、
一律の成果を保証できるものでもないと思います。
なので、自分たちが目指すものは何で、過程でどんなことを獲得し、
より良い未来(ウェルビーイング)を創っていくのか?
を、これでもか!というくらい丁寧に伝えていく必要があります。

軽井沢風越学園は2020年4月に開校した新設校です。
幼稚園の年少(1年生)から中学校3年生(12年生)まで
総勢233名/定員315名が通っています。
幼稚園の3学年だけでみると定員は72名(各学年24名)の内
年少19名、 年中20名、年長22名の計61名ですので、
規模は小さいですが定員充足率は85%(学校全体では74%)と
12学年の新設校である事を考慮すれば健闘していると思います。

自分たちの存在と存在価値を広く理解してもらうための
「活動」と「発信」をしっかり実施した結果としての数字だと思います。

楽天の元副社長がつくった学校だから・・・とか、
もりの幼稚園を併設する小中一貫校だから・・・とか、
個を尊重する学校だから・・・とか・・・
そういう理由で選ばれているわけではなく、
目指すべきはここですよ!ということをきちんと発信して、
共感してもらった家族に集まってもらうという地道な作業を
丁寧に続けてきた結果として集まっているのです。

ホームページ内の情報発信はもちろんですが、
ワークショップや講演などオンラインも上手に駆使して広く発信し、
自分たちの考えに共感してくれる人を
丁寧に集めているのが軽井風越越学園です。

自園のコアと向き合い丁寧に抽出して発信することの重要性を
(”丁寧に”が続き読みづらくてすみませんが、それほど”丁寧に”が大事です!)
改めて理解する事例ですので、ひとつの参考にしていただければと思います。

異なる価値観を持ち、異なるものを追求すると、必ずぶつかりあいます。
でも、他者の自由を侵害しないのであれば、まずは認めあう。
それができるためには、多様な人たちと出会って
相互承認する経験を豊かに持たなければなりません。
そして、この機会を本来は教育がつくらなければいけないのです。
かつての教育は、ある程度このことが実現できていました。
公教育が始まった時代には、子どもたちは親や村の価値観がすべてでした。
でもそんな子どもたちが学校にくると、
ある程度多様性の中に投げ込まれることができた。
生まれも育ちも違う子どもたちが集うことができたのです。
ところが現代は、学校が新しい習俗になり、非常に同質性の高い場所になっている。
もう一度、公教育を多様性がごちゃまぜの、
異なる価値観同士が相互に承認しあう経験を積む場に
転換していく必要があると思っています。

これは、教育学者・哲学者であり、風越学園共同創業者の一人である
苫野一徳さんが<自由>と<自由の相互承認>についての
ワークショップを実施した際の言葉として綴られており、
学園の目指す教育が何か?を、改めて理解することができます。

とはいえ、
教育は価値がすぐに開花するものでもありませんし、
一律の成果を保証できるものでもないと思います。
なので、自分たちが目指すものは何で、過程でどんなことを獲得し、
より良い未来(ウェルビーイング)を創っていくのか?
を、これでもか!というくらい丁寧に伝えていく必要があります。

軽井沢風越学園は2020年4月に開校した新設校です。
幼稚園の年少(1年生)から中学校3年生(12年生)まで
総勢233名/定員315名が通っています。
幼稚園の3学年だけでみると定員は72名(各学年24名)の内
年少19名、 年中20名、年長22名の計61名ですので、
規模は小さいですが定員充足率は85%(学校全体では74%)と
12学年の新設校である事を考慮すれば健闘していると思います。

自分たちの存在と存在価値を広く理解してもらうための
「活動」と「発信」をしっかり実施した結果としての数字だと思います。

楽天の元副社長がつくった学校だから・・・とか、
もりの幼稚園を併設する小中一貫校だから・・・とか、
個を尊重する学校だから・・・とか・・・
そういう理由で選ばれているわけではなく、
目指すべきはここですよ!ということをきちんと発信して、
共感してもらった家族に集まってもらうという地道な作業を
丁寧に続けてきた結果として集まっているのです。

ホームページ内の情報発信はもちろんですが、
ワークショップや講演などオンラインも上手に駆使して広く発信し、
自分たちの考えに共感してくれる人を
丁寧に集めているのが軽井風越越学園です。

自園のコアと向き合い丁寧に抽出して発信することの重要性を
(”丁寧に”が続き読みづらくてすみませんが、それほど”丁寧に”が大事です!)
改めて理解する事例ですので、ひとつの参考にしていただければと思います。