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人が集まる職場、その本質を考える
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<本文のポイント>
・一斉型の採用フェアの集客が振るわない背景にあるもの
・Make a difference~選ばれる基準と違いをつくろう~
・人が集まる園の全容を「あたほい」にて解明します!
<本文>
人が集まる職場がもつ特徴として次の3つが挙げられます。
1.高い採用決定率
2.高い育成定着率
3.結果として、エンゲージメントが向上し続ける
就学前教育保育業界は超採用難の時代です。
8月25日に開催された東京都私立幼稚園連合会主催の
採用フェアへの参加学生数は250名と振わず、
過去2年間も同等の参加数だったこと、
中核市や政令市の採用フェアの集客も
一様に苦戦していることを踏まえても、
いわゆる一斉型の採用フェアが業界の採用トレンドから
外れてきていることが見て取れます。
厚労省の職業安定業務統計データを見ますと、
直近(令和5年1月)時点での保育士の求人倍率は
3.12倍で、全業種平均の1.44倍を
大幅に超えて採用が難しいことがわかります。
幼稚園教諭だけに絞りこむと、
この求人倍率はさらに数字が跳ね上がりそうです。
一斉型の採用フェアに近年学生が集まらない
理由はいくつか考えられますが、主たる要因は、
「そこまで頑張らなくても就職できる」という点に尽きると思います。
先の職業安定業務統計データでもわかるように、
幼保業界の求人倍率は全業種の2倍以上あります。
3事業所で1人を取り合っている状態なので、
よほど強い意志をもって園選びをしている学生を除けば、
通勤可能範囲内で”よりよい条件”の園を選択します。
本来であれば、採用フェアに参加してブースを訪問し、
その園の雰囲気を感じることで実際に園見学をする、しないを
自らの意思で決めることが重要な就活のプロセスですが、
ここをショートカットする機能がSNSと紹介会社にあります。
LINEのオープンチャットに参加すれば、
あくまで個人の経験に基づく意見ではありますが、
”リアル”な情報がこれでもか!というほど飛び交っていて、
見知らぬ誰かの就職や転職を手助けしていたりします。
紹介会社は今では新卒向けのサービスも充実していて、
登録者のポートフォリオに適した就職先を紹介してくれます。
この背景には、
「自分では違いを探し出すのが難しいからプロに選んでもらおう…」
こんな気持ちが見え隠れします。
ランニングシューズは今や「厚底」シューズばかりで、
どのブランドもフォルムというか見た目があまり変わりません。
自分に合った一足を選ぶためには、実際にショップに行って
店員さんに利用シーンや走力、好みを伝えて選んでもらうのがベストです。
就活においてもこれと同じ現象が起こっているのです。
「違いが判らない…」は、選択の大きなハードルとなります。
幼保以外のあらゆる業界で平等に起こる人材不足問題も
「そこまで頑張らなくても就職できる」という機運を高めます。
聞くところによると関東のある養成校の直近2年の実績では、
卒業生の4割は教育・保育関係外の一般企業に就職しているそうです。
別の4年制大学の保育教諭養成課程で教鞭をとる先生に聞いてみると、
2割程度は民間企業に就職していると言うのです。
人材不足なら競争がそこまで激しくない業界・企業であれば、
当然ながら就職のハードルは低く、内定を受けやすいので、
途中で進路転換した学生にとってもチャレンジしやすくなりますし、
もしその就職先がうまくいかなかったとしても、
より人手不足で専門職として働ける幼保業界は戻りやすいため、
言わば”保険が効いた”状態になっています。
これらが学生の「そこまで頑張らなくても就職できる」状態を
創り出しているインシデントではないかと考えています。
では、この状態を打破するにはどうすればいいのでしょう?
状況の打破とはつまり、
「需要<供給」の”不人気状態”を「供給<需要」の”人気状態”に変えることです。
そもそもですが、2015年の新制度開始以降、
国が特に注力してきたのがキャリアアップの仕組みと低賃金問題でした。
この問題は表裏一体なのですが、そもそもキャリア階層が少ないため、
昇進による給与アップがないことから平均賃金が上がらず、
結果として職員の定着率が低いという問題を打破することが
処遇改善等加算の基本的な考え方です。
かつての
採用→配置→退職というループを脱却するために、
育成→評価(昇進)という新たなフェイズを用意し、
定着率を高める仕組みになっています。
まずはここを変えるだけで、
”不人気状態”から脱却し”人気状態”への足掛かりができます。
”不人気状態”を”人気状態”に変えるポイントが以下の4点です。
①誰もがわかる”違い”をつくること(採用決定率UP)
②心理的安全性の高い職場であること(採用決定率+育成定着率UP)
③成長できて、適切に評価される仕組みがあること(育成定着率UP)
④成長のベクトルに選択肢があること(採用決定率+育成定着率UP)
この4点が園内環境として整うことで、
結果としてエンゲージメントが向上し続ける職場となります。
エンゲージメントとは、
1)仕事に対する誇り
従業員が仕事に対して誇りや価値を感じている
2)企業に対する信頼感:
従業員が企業に対して信頼感や愛着を感じている
3)自主的な貢献:
従業員が企業の目的達成のために自主的に貢献している
要するに、
熱意溢れるスタッフで構成される職場です。
そしてこれが、人が集まる職場の正体です。
ここからはイベントのご案内になりますが、
一読の価値がありますので、
ぜひこのまま読み進めてください!
上記①~④を満たし、高いエンゲージメントで”人気状態”を実現する
幼稚園、保育園の経営者3名と9月16日(祝)16:00~に登壇します。
当日は、各法人が「どうやって採用、定着率を高めているのか?」について、
赤裸々に語っていただきます。
オンライン受講も可能ですので、ぜひご都合つけて「あたほい」にご参加下さい!
「あたほい」セッション5@安田講堂に登壇するメンバーは以下の通りです。
学校法人宮城明泉学園 武浪 忠先生
社会福祉法人山ゆり会 松山 圭一郎 先生
学校法人野上学園/社会福祉法人風の森 野上 美希先生
——イベント情報——
あたらしい保育イニシアチブ@東京大学
9月16日(月・祝)9:30~18:00
https://hoiku-initiative.jp/event/hoiku2024/