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今こそ、既卒の採用活動に動き出す!
ランディングページとSNS広告の活用
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秋口になり新卒学生の採用が活性化し、
就学前教育保育施設における学生採用も落ち着きだしていますが、
皆様の園では、採用状況はいかがでしょうか。
新卒学生の動きが落ち着く時期ですので、
引き続き人材募集の必要がある園は、
「既卒」の採用強化にシフトする必要があります。
幼保学生の例年の就職活動スケジュールでは、
園見学参加時期は7~9月がピークとなっています。
10月は、見学者数が著しく減っていることから
就職先を絞って、採用試験へ移行するタイミングだと考えられます。
学生の就職活動時期がピークアウトするタイミングなので、
既卒の求職者へと対象をシフトすることが重要です。
既卒の採用チャネルの一つに「紹介会社」があります。
厚生労働省の調査によると、
紹介会社から採用した人の33.3%は半年以内に離職するという結果が報告されています。
紹介会社以外から採用した人は一方で、20.7%の離職にとどまります。
ご存知の通り、紹介会社を使えば莫大な紹介料の支払いが発生します。
紹介料を支払って半年以内に離職されてしまっては、
その「投資額」を改修することはまずできませんので、
紹介会社以外の採用チャネルの強化をしていくことは重要な採用戦略となります。
さて、保育者の早期離職の理由は多様に存在しますが、
「就職前後に想定していたことと、実際の職場とのギャップ」
がよく挙げられます。
面接で聞いた条件と実態が異なることや
想定していた職場の雰囲気ではなかったこと等、
就職前後のギャップによって早期離職は起こりやすくなります。
紹介会社を利用した転職活動は、
求職者に与えられる園の情報は紹介会社経由のものになります。
自分で調べたり、アポイントを取ったりする面倒さは省かれますが、
求職者は「受動的」な活動になる傾向があります。
受動的な転職活動の結果として、
先に示した半年以内の離職率の高騰につながると考えられます。
転職希望者とつながるチャネルを複数用意し、
能動的な求職者に出会える機会と環境を整えておきましょう。
具体的には、求人情報に羅列された条件だけではなく、
HP・ブログ・SNSなどのあらゆる情報源から確認し
園の教育理念や経営者の考え方に触れることで理解が深まり、
結果として就職後のギャップが小さくなります。
求職者に、自園の存在を知ってもらい
かつ、園について理解を深めてもらう上で最も効果的なチャネルは、
既卒者向けのランディングページです。
ランディングページとは、HPとは別に制作される
1ページ完結の縦長Webページのことです。
「ランディング=着陸」であり、広告などからページに流入したユーザーが
そのまま問い合わせできるページです。
SNSやブログなどに比べ、「転職者に特化した、独立した採用サイト」として
制作できるので、ランディングページに希望者を誘導できれば、
比較的高い確率で問い合わせに結び付けることができます。
下のサンプルは、実際に就職希望者を獲得した園が使用している
ランディングページの内容です。
ページ内容の詳細を解説します。
<教育に対する想いを発信する>
自園の教育内容を紹介するだけでなく、
その教育を実践している背景や経営者の想いを伝えましょう。
求職者がそこに共感することで、他園にはない魅力を実感しやすくなります。
また、関心を抱いた状態で、ページ内容を読み進めることができます。
<職場環境について>
働きやすさについての訴求は、求職者にとって重要です。
東京都保育士実態調査によると、
職場選びで重視する項目は下データの通りです。
勤務地に次いで多いのは、職場の人間関係、
給与、休暇について、勤務時間やその柔軟さなどが上位に並びます。
これらについて、ページで解説することで、
具体的な働きやすい職場環境を知ってもらうことができます。
<募集要項>
募集要項をページに明記することで
業務内容や給与情報等の詳細が把握でき、就職意志を固めやすくなります。
新卒の就職活動は、面接前に一度以上見学をする傾向にありますが、
既卒の場合、見学をせずに面接に申し込む人は少なくありません。
実際に選考をしていると、同時に複数園に応募している求職者もおり、
その場合は、スピード感を重視して選考段階を踏んでいるようです。
WEB上のページで情報を完結させることで、既卒者の情報収集もスムーズになります。
<問い合わせフォーム>
ランディングページの後半には、問い合わせフォームを設置しましょう。
ページを閲覧してそのまま問い合わせることができるため、
就職意欲が高まった求職者を逃さずに来園に結びつけやすくなります。
説明不足なページでは、問い合わせが獲得しづらい上に、
「思っていた職場と違う」という就職後のギャップに繋がりやすくなります。
園への理解を深めて、ミスマッチの少ない既卒者採用を実現しましょう。
このようにランディングページはその対象者専用のHPを用意することで、
求職者にとっての「自分のための情報」をもってマッチングを図ることができます。
ただ、ランディングページを用意するだけでは不十分で、
このページはグーグルなどの自然検索(地名や園名を入れて検索する)では表示されません。
このランディングページに求職者を流入させるためには、SNS広告を活用しましょう。
SNS広告は、InstagramやFacebook上に
通常の投稿に紛れて表示される広告です。
広告は、次のようなイメージで表示されます。
画像と文章が表示され、「詳しくはこちら」をクリックすると
リンク設定しているランディングページに移動します。
広告が表示される対象者については、
居住エリア(園から半径〇km圏内や、〇〇市など)や
年齢・性別などの属性を設定することができる上に、
AIの判断によって、ユーザーの検索履歴や傾向に沿って広告表示がされます。
そのため、日頃から求人を検索している求職者には、
求人の広告が表示されやすくなるのです。
関東エリアにある私立幼稚園では、SNS広告を1ヶ月半運用したところ、
広告表示人数71,549名、ランディングページ誘導1,847回、
見学申込者3名の獲得に至りました。
SNS広告は、情報に対して“受け身”なユーザーに対しても広告が表示されるため、
自園を知らない求職者にも情報を届けることが可能です。
来年度の園運営を円滑にするための職員体制づくりに向けて、
既卒採用の仕掛けを取り組んでいきましょう。