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園児募集の状況整理と各種指標
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・少子の時代において、「10倍の法則」は重要であるため、
目標園児数と人口の関係をチェックしておく
・現在の自園のブランド力、影響力を確認できるほか、
利用定員の設定が適切かどうかの検証にも役立つ「ブランド指数」を活用する
願書の受付や配布がスタートし、
来年度の園児数の予測が立ってきたころだと思います。
最近では毎年のようになっていますが、
少子化の影響や共働き世帯の増加による入園の低年齢化などにより、
やはり幼稚園の園児募集は苦戦が続いています。
同時に採用も難しい時代になっていますので、
園児数と職員数のバランスをどのように設定していくか、
来年度に向けて検討を始めているころだと思います。
近年では入園の低年齢化が進んでいますので、
今年度の園児募集が終わっても、
来年度に向けて低年齢児へのアプローチをできるだけ早く行い、
次年度以降の園児募集につなげていくことが重要になっています。
先日GCLIPでは施設型給付制度攻略オンラインセミナーを開催しましたが、
今年度の園児募集の状況を見て、施設型給付への移行を検討している
という園はとても多いように感じています。
施設型給付幼稚園へ移行すべきか、認定こども園に移行すべきか、
これからの園児募集はどのように行っていくべきか、
自園は今、地域でどういった立ち位置なのか、
今年度の園児募集が終了するからこそ、
現状の分析をしっかりと行い、
今後の方向性に生かしていくタイミングです。
そこで、GCLIPが上記内容の検討を行う際に活用している
オリジナルの指標とその計算方法をお伝えいたしますので、
ぜひご活用いただき、自園の今後の方向性にお役立てください。
①10倍の法則
まず把握をしておいた方が良い指標が10倍の法則です。
この10倍の法則とは
「自園の目標とする園児数に対して人口が足りているかどうか」を調べる指標です。
具体的には自園の目標とする園児数に対して通園範囲内の対象人口が10倍ある場合、
目標を達成できる可能性が高まり、逆に10倍の対象人口がない場合は、
目標となる園児数を達成することが難しくなるというものです。
年少の目標を30名とした場合で、
通園範囲内の2歳児(次年度年少)の人口が300名だったとします。
一見、300名ということなので、人口が足りている
というように捉えてしまう可能性がありますが、
注意点としてこの人口300名のうち、
専業主婦世帯、共働き世帯が存在していますので、
純粋な幼稚園の場合、専業主婦世帯の全国平均である40%を掛け合わせ、
300名×40%=120名という計算が必要になります。
逆に認定こども園の場合は共働きも対象になりますので、
300名がそのまま対象人口ということになります。
もし上記内容において、純粋な幼稚園である場合、
120名の対象人口ということになるため、
目標園児数に対して、人口が少ないということがわかります。
逆に認定こども園のように共働き世帯までを対象とすることができれば、
300名の対象人口となり、園児募集を達成できる可能性が高まる人口となります。
10倍の法則を活用することによって、
そもそも自園周辺の地域は自園にとって人口が足りているのか、
その結果、通園範囲を拡大すべきなのか、
もしくは共働き世帯を対象とすべきなのかなどの
方向性の確認をすることができます。
とても重要な指標になりますので、
ぜひ一度お試しいただければと思います。
②ブランド指数
ブランド指数は
「本来獲得できると想定される園児数に対して、自園がどのくらいの園児を獲得しているか」というものです。
具体的には
・通園範囲内の2歳児(次年度年少)人口÷通園範囲内に含まれるすべての競合園数…A
・自園の園児募集実績÷A
上記式によって計算をすることになります。
※競合園数には保育所も含みます。
例えば
通園範囲内の2歳児人口が300名、競合園数が10園であった場合、
Aは30ということになります。
このAが人口を施設数で割った形になるため、
平均的に各施設が獲得できると予想される園児数になります。
そして、自園の園児募集実績が30名であった場合、
30名÷30(A)=1
ということになります。
GCLIPではブランド指数として1を100%として計算するため、
今回の計算ではブランド指数100%ということになります。
GCLIPの調査ではこのブランド指数が200%である場合、
地域における影響力が非常に大きいブランド園であると定義しています。
近年では入園の低年齢化や施設型給付制度への移行によって、
利用定員を調整する園が増えていることから、
幼稚園のブランド指数は減少傾向にあります。
今後は3歳児での検証ではなく、1歳児や2歳児でのブランド指数の検証も
重要になってくると考えていますので、
GCLIPとしましても、今後さらに調査分析を進め、
1歳児、2歳児でのブランド指数の目標値を検証していきたいと思います。
ブランド指数は、地域における影響力だけでなく、
自園の利用定員の設定が適切かどうか
という視点においても役立つ指標になりますので、
施設型給付の園はぜひ一度分析をしてみてください。
今回は二つの指標をご紹介いたしましたが、
近年の園児募集において重要な「抵抗の解消」を調べる上で
「利便性偏差値」という指標もあります。
園児募集において思うような成果が出ないという場合に、
分析をするとよい指標になりますので、
こちらもまた改めてメルマガにてご紹介させていただきます。
10倍の法則やブランド指数は「地域一番園」を目指す上でも、
とても重要な指標であり、参考にすべき数値です。
GCLIPでは11月29日に謝恩セミナーを開催いたします。
このセミナーは「地域一番園」をテーマにしています。
来年度以降の就学前教育保育施設の経営に役立つ情報をご用意し、
お待ちしております。ぜひお越しください。