DIARY

【求職者には、教職員の姿を見せて “透明性”の高い発信をする!】

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求職者には、教職員の姿を見せて
“透明性”の高い発信をする!
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新卒の採用活動も大詰めの段階に入り、
各園で内定者が確定し始めてきました。

一方、全国保育士養成協議会の調査によると、
短大・専門学校においては、
10月現在で実習を実施している学生が約4割いますので、
実習と就職活動を平行している状況にある学生が
半数近くいる状態にあるといえます。

学生の就職活動は徐々にピークアウトしていくものの、
ここからより精力的に就職活動を継続していく学生が
まだ半数近く存在していると捉えることもできます。

近年特に傾向として見られるのは、
求職者が、園の雰囲気・保育理念・人間関係・条件など、
多くの情報を得てはいるものの、
実際に就職した後に現実と事前情報の違いに、
不満を抱く人が一定数存在しています。

「実際に働いてみないと分からないことが多い・・・」
「求人の条件が良すぎた分、裏があった・・・」
「HPに書いてあることと実態があまりにも違う・・・」

これらは、保育者が集うLINEオープンチャットで度々挙げられる、
就学前教育保育施設に新卒で実際に働いている人たちの声です。

現在、就学前教育保育業界への就労を検討する求職者の
SNS画面には次のような広告が表示されます。


(Meta社広告ライブラリにて「保育 求人」の検索結果より)

これらの広告では、
「給与の高さ」や「労働環境の快適さ」を過剰に打ち出し、
園の雰囲気や教育・保育については触れられることはありません。

一般社団法人全国保育士養成協議会の調査によると、
保育学生の74%がインターネットで園の情報収集をしています。
求職者4人のうち3人がインターネットで就職先を探す中で、
インターネット上にあふれる情報は、
「年間休日」や「給与」、あるいはいかに“楽”に働けるか?等、
極めて近視眼的な“目先の魅力”に傾倒した打ち出しに偏っているのです。

分かりやすい条件面にばかりフォーカスさせて、
園が大切にしている教育・保育への想いや教職員の姿といった
“園の中身”に目を向けさせる努力をしなければ、
事前情報と現実にギャップが生まれるのは当然の結果で、
就職後に「思っていたのと違う」という理由での離職につながりやすくなります。

実際に、令和4年度東京都保育士実態調査によると、
保育士の離職理由は下グラフのようになっており、
「職場の人間関係」や「保育理念に共感できなかった」という理由も含まれています。

離職を防ぎ、働く充実感を得るためには、
共に働く教職員との良好な関係性や
保育方針への理解を深めることが重要であり、
それは園からの発信内容として強化していけるものです。

就職前と就職後のギャップを無くすためには、
発信する情報に“透明性”を保っておくことが重要です。

透明性のある情報発信とは、
職場の人間関係や待遇面の打ち出しを過度に脚色せず、
極めてありのままに近い状態で「現場の息遣い」を伝えることです。

「求人媒体」を通して自園を知った場合でも、
求職者は園のホームページをかなりの確率で閲覧しますので、
信頼性の高い情報発信の場として位置づけしやすい自園サイトで
教職員の姿や声など、現場の息遣いを発信していきましょう。

11月29日のセミナーにゲストでお招きしている
「軽井沢風越学園」では
ホームページに「スタッフ」というメニューを設けて、
園で働くスタッフを透明感あふれる情報として発信しています。
https://kazakoshi.ed.jp/staff/

このように、自園らしさをまとった透明感ある情報を発信することで、
求職者自身も就職後に働くイメージを抱きやすくなります。

園で働くきっかけや働く上での想いやポリシーを伝えることで、
その内容に共感した求職者の就職意欲を高めることにも繋がります。

耳障りの良い情報だけを羅列して広告するだけでは、
どうしても“濁った情報”になりやすく、現実とのギャップが疑われてしまいます。

自園に関心を持つ求職者を集めるために、
まずはSNSの広告に透明感を持たせ、
誘導先である自園サイト上での発信内容を
リアリティのある情報に変えてみてください。