DIARY

【保育需要への対応及び抵抗の解消、 そして地域一番園化する】

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保育需要への対応及び抵抗の解消、
そして地域一番園化する
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[本文のポイント]
・1号認定児の募集は年々厳しさを増していく…
・「保育需要への対応」と「抵抗の解消」でまずは乗り切る!
・自園のいまある強みを磨きこんで「地域一番園化」を実現しよう!
・地域の「不」を解消して新たな軸とマーケットをを付加しよう!

[本文]
11月に入り、ようやく秋らしさを感じるようになりました。
今年も残すところあと2か月となりました。
私立幼稚園や認定こども園の1号児は募集結果もでましたが、
1号児募集の難しさを実感する結果が多くみられます。

この要因に関しては、本メルマガでも既に取り上げてきた、
「就園の低年齢化」によるところで、
ある程度予測されていた事実ではありますが、
一昨年前(2022年)秋の募集結果くらいから
この影響を強烈に肌感覚として実感し始めているところです。

出生数80万人台の影響や保護者の働き方の変化の影響が大きく、
単にマーケティング施策だけでどうにかなるものでもありません。
認定こども園などへの制度移行は、
受け入れ対象を拡大する点で一定の効果は見込めるのですが、
待機児童が解消すると各自治体の制度移行のハードルは上がり、
移行自体が難しいケースも少なくありません。

昨年11月に開催したセミナーでこんなことをお伝えしました。
「少子時代に募集充足率の高い園の特徴」として、
以下の2点を取り入れた上で地域の子育て世帯が持つ「不の解消」に
是非、取り組んでほしいのです。

①1号マーケットを脅かす要因への対処
②魅力の伝達 < 抵抗の解消

1号マーケットを脅かす要因は、
主に保育需要が拡大する社会構造の変化(進化)ですが、
これらを受け入れるための体制の整備をすること、
その上で、対象者が抱く「抵抗の解消」をすること。

抵抗は園が提供する「便益と魅力」に対して、
実質支払額が納得のいくもの(価格)であるか?
という点に絞られます。
つまり、利便性を押さえた上で
納得感のある価格設定になっている必要があるということです。

2019年10月に幼児教育保育が無償化されて以降、
各地で無償化合戦が激しく展開されて、
「就学前教育保育はお金のかからない」という
パラダイム(捉え方)が色濃くなり、
お金がかかるということに抵抗を感じる人が増えてきているようです。
勿論、それだけではなく、
このところの物価高騰も支出に対する抵抗感の強化を後押しし、
以前に比べ支出に対する「納得感」が求められる時代になっています。

募集が低迷する園にとっては
具体的なアクションプランの提案にならず心苦しいのですが、
先の①②をまずは実現し、そこから教育・保育の内容で
差別化を図ることに注力して下さい。

少子化が解消することはないと言われています。
すると、過剰供給状態にある現状の就学前教育保育施設は
適正な「競争」によって淘汰される時代が訪れます。
その際に残る施設は、「地域一番園」であることは間違いありません。

是非、自園の軸をブラさず地域一番園化に向けて邁進してください。
「価値」を提供する園だけが適正に評価される時代が到来しますので。

ちなみに弊社GCLIPは2014年に私立幼稚園の経営、
とりわけ園児募集や職員採用といった
「マーケティング」=相手に気持ちよく次の行動に移ってもらうための活動
のアドバイスおよび実行支援を目的とした
経営コンサルティング会社として市ヶ谷の地で創業しました。

創業から約11年の間で、世の中の価値観はずいぶん変化しました。
我々も働き方や自分たちの役割で変えざるを得ない部分の調整は行いましたが、
コンサルタントとしてお客さまより求められる価値は変わらないため、
核となる部分やコンサルティングの軸は殆ど変わっていません。

私たちが求められるのは主に次の5点です。

1)業務支援により望める適切な結果
2)客観的事実の伴う適切なアドバイス
3)徹底した伴奏支援
4)踏ん張り所での後方支援
5)未知に遭遇した際の“道”の模索
  →可能性を極限まで探る

減少する出生児に連動して確実に縮小していく
厳しいマーケットですから、
経営の舵取りは難しさを極めます。
先に触れたとおり募集は年少も2歳児も年々集客が厳しくなり、
”匙(さじ)を投げたくなる”ようなケースも少なくありません。
それでも何とか活路を見出すために、
制度を活用してこれまでの1号認定児の受け入れ態勢から
2号・3号の受け入れができる形にしたり、
小規模等保育施設や卒園後の放課後クラスを併設して
園児のLTV(長期在園)化を実現したり、
児童発達支援事業などの新たな業態を付加することで、
地域の子育て支援拠点として役割の幅を拡張しつつ
少子化の波を乗り越えながら進化する園に並走してきました。

厳しい時代ですが、上記5つの軸をブラさずに、
これからの時代も必要とされる知識と技術を磨いて、
未来に備えていく所存です。

今のように「これをやれば必ずうまくいく!」という、
明確な”解”が存在しない時代には、
とにかく、マーケットの「不」に目を向けて、
その「不の解消」に努めることが重要です。
「不」はマーケットの数だけ存在します。
それぞれが抱える「不」の解消に向かうことで
新しい活路が見出せるはずですので、
保育ニーズへの対応及び抵抗の解消に努め、

地域のニーズに対応すべく進化していきましょう!