DIARY

【 スタンダードの変化 】

【 園児募集の結果が少しずつ出揃ってきています! 】Posted by Hayashi

 

子ども子育て支援新制度が開始して5年。
そして無償化が開始して1年が経過します。

この5年間で業界は大きく変化しましたが、
それと同時に人口減少が進んでいます。

改めて今の幼稚園を取り巻く環境を確認していきたいと思います。


2019年の出生数は約86万人です。

2018年は約92万人ということでしたので、
実に6万人の減少ということになります。

2017年は約94万人。
2018年と比較しても2万人程度の減少ということですので、
2019年は一気に出生数が減少したということが分かります。


よく、保育園は、
「働いている人も安心して子どもを
預けることができる環境を
 整えるためにあるから
出生数を増加させる取り組みだ!」
と言われることがありますが、

2015年からの子ども子育て支援新制度から
今までの推移を見ていくと、そんな事実は見当たりません。。。

国の政策としては出生数の増加というよりも、
女性就業率の増加を目指した取り組みと捉えることができます。

実際に子ども子育て支援新制度開始後、
25歳から44歳の女性就業率は右肩上がりに上がっており、
70.8%から77.7%まで増加しています。

(ちなみに出生数は2015年では約100万人ですので、10万人減少しています。)


国の政策ではこの数字を80%に伸ばすことを目標としていますし、

最近ではまだ待機児童問題が解消していないということで、
さらに12万人分の
保育の受け皿を整えていくという目標を掲げています。

女性の就業率が増加している一方で、幼稚園の就園率は減少しています。

令和2年の文部科学省の資料では、
平成30年度の3年保育の幼稚園就園率は36.7%という数字が出されています。


4歳、5歳の幼稚園就園率は40%程度と、

2年保育対象者を合わせても減少傾向であることがわかります。

さらにこの資料を読みこんでいくと、
2歳時点で保育園や認定こども園に入園している就園率は、
約50%ということになっています。

出生数が減少し、2歳児の就園率が50%ということになれば、
3年保育の対象人口はかなり減少しているということがわかります

また、無償化の影響で満3歳児入園への取り組みを行う
幼稚園や認定こども園が増えてきていますので、
3年保育の対象者はさらに減少します。

今までの傾向から予想していきますと、
出生数の減少と女性就業率の増加は、
続いていくということが予想されます。

これらは、幼稚園への入園対象者の減少が
今後も続いていくということを表しています。

対象人口が減少するということは、
「何もしなければ」自然と園児数は減少していきます。

地方にいけばいくほどその傾向は顕著であり、
3年保育の入園申込者は大きく減少しています。

1号認定の希望者が減少してきていますので、
新2号認定をうまく打ち出し、1号認定を募集していく
ということも必要になってきています。

これらのことから考えられることは、
4年保育、8時間スタンダードです。

都心部ではまだその傾向は弱いと言えますが、
地方で考えるとその傾向は強くなっています。

むしろ4年保育というのは地方は普通に行っていますし、
認定こども園の比率が高くなってきていますので、
11時間開所も広まりつつあります。

園児募集の活動というと、イベント企画やチラシ作成、
デジタルマーケティングなどより具体的な内容を指すことが多いですが、
そもそも対象者がいなければその努力も水泡に帰すこととなります。

自園の置かれている状況をしっかりと見極め、
来年、再来年に向けて園の形を改めて検討するタイミングです。

4年保育の検討、新2号認定の受け入れ強化、
認定こども園への移行、施設型給付への移行など
方向性は色々とあります。

ぜひ今年の結果も踏まえ、改めて見つめ直していきましょう。